講演情報

[学校保健体育-B-02]定時制高等学校の体育授業における協同学習モデルの効果(教)

*五十川 利心1、浜上 洋平2、栗田 昇平2 (1. 大阪体育大学大学院、2. 大阪体育大学)
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協同学習とは、協同的な相互依存性の学習状況への促進作用を利用することを意図した指導法であり(栗田、2015)、小グループを活用して自分と他者の学びを高めるものである(ジョンソンほか、2010)。協同学習モデルを適用した体育授業では、運動・認知領域に加え、特に情意・社会的領域への効果が高く、安定して機能するとされる(栗田・大西、2023)。
 定時制高等学校(以下、定時制高校)は、勤労青年のみならず、中途退学者や不登校経験者、発達障害等の特別支援が必要な生徒など、多様な学習ニーズに応じた教育機関としての役割を担っている(文部科学省、2020)。学び直しや自立支援が期待される一方で、定時制高校の生徒はコミュニケーションスキルに不安を抱え、対人恐怖心性を持つことが指摘されている(堀田ら、2017)。
 対人関係に課題がある定時制高校の生徒に対して、情意・社会的能力を育む協同学習モデルを体育授業に導入することは有益である可能性が高い。しかし、体育授業における協同学習の実践研究は多くが小学校段階を対象にしたものであり、中学校以降の校種、特に定時制高校での実践は少ない。
 そこで本研究は、ある地域の定時制高校2年生10名(男子6名、女子4名)を対象に、協同学習モデルを適用した7単位時間のハンドボールを素材とした球技領域・ゴール型の授業を実施し、その効果検証を目的とした。授業は保健体育科の教員3名(男性2名、女性1名)によるチームティーチングにて行われた。
 データは①形成的授業評価法(高橋ほか、2003)、②主張的・認知的共感性尺度(倉盛、1999)、③学級適応感尺度(江村・大久保、2012)の質問紙調査から得た量的なものに加え、④授業者、生徒に対する半構造化インタビュー、⑤フィールドノート、⑥授業映像による質的なものを収集し、それぞれの分析結果をもとに複合的に考察した。結果等の詳細は発表時に示す。

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