講演情報
[学校保健体育-B-23]動作合成・可視化システムを導入したダンス動作学習実験による「動きの理解」に関する検討(教)
*三輪 亜希子1、中内 悠太2、曽我 麻佐子2 (1. 尚美学園大学、2. 龍谷大学)
本研究では、舞踊の動きについて①インプロヴィゼーションと②ダンステクニックの2つの解釈を採用する。①は可動域や身体部位への探索的メソッドであり、②は各ダンススタイルに根付いた合理的メソッドである(Gretchen・Susan,2008)。そして、動作合成システムBody-part Motion Synthesis System(以下、BMSS)とは、②の特性を活かし、プロダンサーの舞踊動作をモーションデータとして利用し、分析的に解体した短い要素動作(モーションデータ)をタブレット上で合成・置換して新奇な舞踊動作を創出し、3DCGで再生するシステムである。本研究では、BMSS ver4.5.4 Vis(支持基底、重心とZMP、①の特性を活かしたモーションラインを導入した可視化版)を利用した。実験は、ダンサーのトレーニング支援を目的とし、ダンサー9名(21.6±2.98歳)による実演を交えた評価実験とした。結果、提案した可視化手法が身体の使い方の理解に繋がると示唆された(中内ほか,2025)。次に、支持基底と重心を追加した際のBase Motionのカテゴリー別に関しては、Jump、Floor、Acrobaticの3つのカテゴリーが評価された。また、自由記述回答による動きの理解に関するダンサーの評価として、<身体部位への視点>、<空間と動きの関係性>、<重心位置>、<動きの感覚的理解>、<動きの大小>、<動きのダイナミックさ>、<動きのコーディネーション>という言及が顕在化した。これらは「動きの質」(ラバン,1980;ドゥブラー,1974)に関する舞踊の定石的な評価であり、動きへの変換によるイデアの生成といったダンスの本旨を踏まえると、本実験がダンスのトレーニングとして有効であると示唆される。
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