講演情報
[スポーツ文化-A-02]中学校・高等学校部活動における柔道の魅力の構造化(教)自他共栄の精神に見られる勝ち負けを超えた柔道の魅力についての考察
*長谷川 勧1、伊藤 優希 (1. 芝高等学校)
現在、日本の柔道競技の人口減少は顕著であり、また、中学校・高等学校においても部活動の多様性が求められ、現状の環境では部活動での柔道に魅力を感じることができない生徒が増えている。
そこで本研究では中学・高校の柔道部に所属する柔道競技者が、多様な環境の中でもより楽しく柔道を続けられることを目的とし、また、先行研究で示されている柔道の本来の魅力の抽出に留まらず、現代社会における柔道競技の持つ必要性を構造化してみたいと考えた。 本研究では、柔道の「基本属性」、「社会要因」、「競技特性」、「練習メニュー」、「柔道精神」の5つの領域に焦点を当てて、主に4件法を用いた質問紙調査を東京都内及び栃木県内の中学校・高等学校柔道部に所属する生徒 167 名に実施し、統計学的分析(相関係数・クラスター分析・重回帰分析)を行った。有意水準は5%とした。 重回帰分析の結果より、社会要因と練習メニューは全ての項目に対して有意差が見られ、社会要因と練習メニューが柔道の魅力を形成するうえで大きな要素であることが示された。特に、他者との広い柔道関係の構築、乱取り練習、ウォーミングアップでの充実感が柔道の魅力に繋がっていることが示唆された。
クラスター分析の結果より、中高の柔道部活動集団は属性項目や技術から判断すると4グループに大別され、その中でも柔道実績の高い人は、柔道の動機づけとして、試合に勝つことではなく、柔道精神を体得したいと考える傾向があることが示された。ここでの柔道精神とは「精力善用」と「自他共栄」の精神を指しており、柔道競技での技術的な上達が、これを助長させると予想される。つまり柔道競技においては、勝敗よりも柔道精神を獲得する行程において、現代の競争社会や格差社会の改善に繋がる、精神の充足を得られるのではないかと考察した。
そこで本研究では中学・高校の柔道部に所属する柔道競技者が、多様な環境の中でもより楽しく柔道を続けられることを目的とし、また、先行研究で示されている柔道の本来の魅力の抽出に留まらず、現代社会における柔道競技の持つ必要性を構造化してみたいと考えた。 本研究では、柔道の「基本属性」、「社会要因」、「競技特性」、「練習メニュー」、「柔道精神」の5つの領域に焦点を当てて、主に4件法を用いた質問紙調査を東京都内及び栃木県内の中学校・高等学校柔道部に所属する生徒 167 名に実施し、統計学的分析(相関係数・クラスター分析・重回帰分析)を行った。有意水準は5%とした。 重回帰分析の結果より、社会要因と練習メニューは全ての項目に対して有意差が見られ、社会要因と練習メニューが柔道の魅力を形成するうえで大きな要素であることが示された。特に、他者との広い柔道関係の構築、乱取り練習、ウォーミングアップでの充実感が柔道の魅力に繋がっていることが示唆された。
クラスター分析の結果より、中高の柔道部活動集団は属性項目や技術から判断すると4グループに大別され、その中でも柔道実績の高い人は、柔道の動機づけとして、試合に勝つことではなく、柔道精神を体得したいと考える傾向があることが示された。ここでの柔道精神とは「精力善用」と「自他共栄」の精神を指しており、柔道競技での技術的な上達が、これを助長させると予想される。つまり柔道競技においては、勝敗よりも柔道精神を獲得する行程において、現代の競争社会や格差社会の改善に繋がる、精神の充足を得られるのではないかと考察した。
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