講演情報

[14介-口-10]週1回の集団エクササイズトレーニングを行っている高齢者の体力の変化

*松井 健1、林 勇樹1、巽 樹理1 (1. 追手門学院大学)
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【背景】地域高齢者の健康運動教室は、運営負担や利用者の参加しやすさ、長期の継続性を考慮し、集団で行うエクササイズセッションを週1回で実施することが多い。このような週1回のセッションが長期的に体力等に及ぼす影響は不明な点も多い。【目的】本研究は、週1回の頻度で継続する高齢者の集団エクササイズが、長期的な体力変化にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。【方法】週1回、45分間の有酸素運動を主とした集団エクササイズのセッションを、4月から13回、および10月から13回、計2期、年間26回行った。様式は、陸上運動もしくは水中運動のいずれかとした。2022年度から3年間、継続的に参加し、測定会に参加した高齢者を分析対象とした。対象者は、32名(うち男性5名)で、2022年当初の平均年齢は75歳であった。文部科学省の「新体力テスト」、Timed Up & Go (TUG)テスト等の体力指標、ならびに身体組成および動脈スティフネスの計測も行った。【結果】各年度の平均値を求め、2022年度と2024年度を比較し、経年変化をみた。開眼片足立ち時間は、経年変化での個人間変動が大きく、その変化量と3年間(計6回)の測定における個人の平均記録間に有意な負の相関関係がみられた。TUGと6分間歩行の経年変化の間にも有意な負の相関関係がみられ、TUGのタイムが遅くなった者は、6分間歩行能力も低下する傾向がみられた。また、6分間歩行の平均値は、2022年度に比べ2024年度で有意に低下した。【考察・結論】週1回の持久系集団エクササイズでは、後期高齢者のバランス能力の低下ならびに持久力(移動能力)の低下を抑制することは難しいことが示唆された。後期高齢者の運動プログラムにおいてはこれらの能力を包括的に鍛え、運動頻度を増やすといった方策が重要であると考えられる。

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