講演情報
[12人-口-05]独立後のカンボジアにおける体育制度の再建体育に関する国際支援の動向に着目して
*山口 拓1 (1. 筑波大学)
第2次世界大戦以降の国際社会では,それまで宗主国の支配下にあった多くの植民地が国政を自律的に運営した経験のないままに新たな近代国家を樹立し,未経験の政府が創意工夫によって,その構造を改変しながら国家を運営する過程で,動乱の時代を歩んだ国も少なくない.本研究の対象国であるカンボジアも例外なく,戦後に若き国王の下で完全独立を成し遂げたが,国際イデオロギーの影響を受けながら,国内の政治問題に翻弄されたことで動乱の時代を経験し,国家運営の主義主張や社会構造を二転三転させて現代に至っている.
以上を踏まえて本研究では,文献資料およびインタビュー調査の結果を用いて,国家体制や外交的な特徴を有する時代に区分して分析し,国家的な体制変動を伴いながら形成された独立後のカンボジアにおける体育制度の再建過程を考察した.具体的には,戦後から現在に至るカンボジアの国家体制と体育およびスポーツに関する国際支援の動向を踏まえて体育制度の形成過程を示した上で,その分析結果を「意図した教育体制」の視点から考察した.
考察の結果,独立後のカンボジアにおける体育制度は,各時代の政治的・社会的状況や国家方針に応じた支援が展開されたことで,独立期の愛国心育成,復興期の社会主義教育,開発期の道徳的な体育を重視する多面的価値を求める体育へと変容させ,最終的に国際的な体育の潮流を意識する段階へ移行していたことが判明した.
以上を踏まえて本研究では,文献資料およびインタビュー調査の結果を用いて,国家体制や外交的な特徴を有する時代に区分して分析し,国家的な体制変動を伴いながら形成された独立後のカンボジアにおける体育制度の再建過程を考察した.具体的には,戦後から現在に至るカンボジアの国家体制と体育およびスポーツに関する国際支援の動向を踏まえて体育制度の形成過程を示した上で,その分析結果を「意図した教育体制」の視点から考察した.
考察の結果,独立後のカンボジアにおける体育制度は,各時代の政治的・社会的状況や国家方針に応じた支援が展開されたことで,独立期の愛国心育成,復興期の社会主義教育,開発期の道徳的な体育を重視する多面的価値を求める体育へと変容させ,最終的に国際的な体育の潮流を意識する段階へ移行していたことが判明した.
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