講演情報

[12人-口-06]日本の武道を通じた国際開発における子どもへの虐待防止制度の意義と課題に関する研究

*町田 直大1、森 克己1 (1. 鹿屋体育大学)
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1990年代以降、国際開発や人道支援の現場において、国際機関やNGO職員による子どもや若者への性的搾取や虐待の問題が世界的に注目されてきた。これを受け、国連や各国政府、国際NGOは、PSEAHとして、性的搾取や虐待の被害防止と加害予防のガイドライン整備や職員研修を強化するなど、包括的な取組を進めてきた。例えば2018年、英国の国際開発省(DFID)が開催したセーフガーディング・サミットでは、日本を含む22か国がPSEAH対策の合同コミットメントに署名し、2019年にはOECD開発援助委員会(DAC)が「開発協力と人道支援における性的搾取・虐待に関する勧告」を発表するなど、制度化が進められている。
 以上のとおり、国際開発における PSEAH や 子ども保護(以下CPと略)の重要性が国際的にも認知され、様々な取組がなされてきたが、人道開発支援現場における支援者による性的搾取・虐待の課題の考察から、被援助国の女性たちが主体的に関与できる構造へと変革される必要があるとの指摘もされている(尾立、2023)。
 そのため、日本においても PSEAH や CP の研修を受けた人材が国際開発に取り組む体制を整備することが求められている。 こうした背景を踏まえ、本研究では、日本の武道を通じた国際開発活動におけるCPの意義と課題について明らかにすることを目的とする。具体的には、JICA海外協力隊等として柔道や剣道の指導経験を持つ実践者及びOJP先でのインタビューおよびアンケート調査を通じて、国際開発の現場での子どもとの関わり方、安全確保の取り組み等を多角的に分析する。また、これらの調査結果に基づき、日本の武道を通じたCPの重要性や課題及び日本の武道を通じた国際開発において、今後どのようにしてCPの体制を整備していけばよいか等について考察する。

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