講演情報

[11教-口-27]性別にみた「知識及び技能体育授業評価尺度」得点の比較小学校高学年から高等学校までの児童生徒を対象にして

*高橋 野人1,7、大友 智2、藤井 一貴3,7、西田 順一4、深田 直宏5、吉井 健人3、甲斐 義一6,7 (1. 桐生市立新里東小学校、2. 立命館大学、3. 育英大学、4. 近畿大学、5. びわこ学院大学、6. 大分県教育委員会、7. 立命館大学大学院)
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文部科学省は、小・中・高等学校学習指導要領(2017a、2017b、2018) において、育成を目指す資質・能力として3つの柱を示した。その1つに、「知識及び技能」(以下、知技)の習得を掲げた。Mckenzi et. al.(2006)及びViciana et. al.(2017)は、体育授業の運動量に関して、女子生徒は男子生徒よりも中強度から高強度の身体活動に費やした授業時間の割合が少ないことを報告した。またスポーツ庁(2024)は、体育授業以外で、運動やスポーツに取り組む時間及び地域のスポーツクラブでの活動回数は、女子が男子よりも少ないことを報告した。これらから、体育授業中及び体育授業以外の時間において、女子児童は運動に関わる時間が男子児童よりも少ないことが明らかであるが、そのため、女子は男子よりも運動技能が低いのではないかと考えられる。
以上から、本研究の目的は、「知識及び技能体育授業評価尺度」(以下、知技尺度)得点に関する児童生徒の性別による差異を明らかにすることであった。公立小学校5校、公立中学校3校、及び、公立高等学校3校の計990名(男子463名、女子527名)の児童生徒を対象として、2021年6-7月に「知技尺度」(藤井ほか、2024)による質問紙調査を実施した。対象者を小学5・6年、中学1・2年、中学3年・高1年、及び、高2・3年の4つに区分し、性差による平均得点についてMann-WhitneyのU検定を行った。小学5・6年では、性別による有意差が見られなかった。中学1・2年では「運動の知識」因子、中学1・2年では「運動の安全」因子、中学3年・高1年では「運動・体力の知識」因子、並びに、高2・3年では「運動の技能」、「体育の見方・考え方」、及び、「運動・安全の知識」因子の3因子に加え、総得点において、女子は男子よりも有意に低い値を示した。

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