講演情報
[03心-ポ-07]観察者の性別の違いが速さと正確さの両方を要求される課題のパフォーマンスに及ぼす影響男性熟練参加者についての検討
*兄井 彰1 (1. 福岡教育大学)
運動を行う際に観察者がいると、パフォーマンスが向上する場合は社会的促進、低下する場合は社会的抑制と呼ばれる。また、観察者の性別によってパフォーマンスへの影響が異なると考えられている。さらに、参加者の運動課題に対する熟練度によっても、観察者の影響は変化する可能性がある。本研究では、課題に熟練した男性参加者を対象に、観察者の性別が速さと正確さの両方が求められる課題のパフォーマンスに及ぼす影響を検討した。男性の熟練参加者24名に対し、できるだけ速く、かつ正確にバスケットボールのフリースローを10回連続で行うよう指示した。実験は異なる日に3条件(観察者なし、男性観察者あり、女性観察者あり)で実施し、観察者はいずれも参加者と面識のない2名で、マスクとトレーニングウェアを着用していた。結果、10回の成功回数および所要時間に条件間で有意差は見られず、観察者の有無や性別によるパフォーマンスへの影響は確認されなかった。一方、課題終了後に実施した動機づけ(視覚的アナログ尺度:VAS)および集中度(5段階尺度)の調査では、観察者がいた条件の方がいずれも高かった。以上より、観察者の有無や性別はパフォーマンスに直接的な影響を与えなかったが、動機づけと集中度の両方が高まる可能性が示唆された。先行研究では、未熟練の女性および男性参加者の両方で観察者のパフォーマンスに及ぼす影響が確認されており、観察者の効果は課題の熟練度により異なる可能性がある。
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