講演情報
[03心-ポ-39]競技スポーツ領域における心理的安全性研究の今とこれからスコーピング・レビュー
*松原 旭飛1、人羅 美帆2、高井 秀明3 (1. 日本体育大学大学院、2. 医療法人横浜未来ヘルスケアシステム、3. 日本体育大学)
心理的安全性はアスリートの卓越性の追求と健康の維持・増進に不可欠な要因であると期待されているが、その研究知見は整理されていない。本研究の目的は、競技スポーツの領域における心理的安全性について検討した研究知見を体系的に整理し、今後の研究課題を特定することである。なお、本レビューは、PRISMA extension for Scoping Reviews(Tricco et al., 2018)にしたがって報告する。本レビューでは、主要な論文検索データベース(PubMed, SPORTDiscus, MEDLINE complete, ERIC, PsycINFO)を用いて査読付き国際学術誌に英語で掲載された一次研究を収集した。文献検索で得られた研究は適格基準および除外基準に照らしあわせ、最終的には27件の研究を抽出した。
本研究で抽出された研究は、競技スポーツに従事する(パラ)アスリートを対象としていたが(N=22)、コーチや医科学スタッフ、アスレティックデパートメントの従業員などを対象とした研究(N=5)も散見された。そして、心理的安全性の定義や測定ツールは混在していた。ゆえに、競技スポーツの特徴を反映した定義、ならびに信頼性と妥当性を有した測定ツールを開発することは喫緊の課題であるといえる。また、27件の研究のうち、量的研究が21件、質的研究が5件、Randomized Controlled Trialsが1件であった。競技スポーツの心理的安全性研究が萌芽期にある今、スポーツチームで心理的安全性が創発するプロセスを探る質的研究は有用と考えられる。さらに、量的研究のうち、チームレベル研究や縦断研究はそれぞれ1件であった。心理的安全性をチームレベルの現象として捉えたマルチレベル研究や経時的変化を検討する縦断研究を拡充することで、競技スポーツ固有の心理的安全性に関する理解はより一層深まるだろう。
本研究で抽出された研究は、競技スポーツに従事する(パラ)アスリートを対象としていたが(N=22)、コーチや医科学スタッフ、アスレティックデパートメントの従業員などを対象とした研究(N=5)も散見された。そして、心理的安全性の定義や測定ツールは混在していた。ゆえに、競技スポーツの特徴を反映した定義、ならびに信頼性と妥当性を有した測定ツールを開発することは喫緊の課題であるといえる。また、27件の研究のうち、量的研究が21件、質的研究が5件、Randomized Controlled Trialsが1件であった。競技スポーツの心理的安全性研究が萌芽期にある今、スポーツチームで心理的安全性が創発するプロセスを探る質的研究は有用と考えられる。さらに、量的研究のうち、チームレベル研究や縦断研究はそれぞれ1件であった。心理的安全性をチームレベルの現象として捉えたマルチレベル研究や経時的変化を検討する縦断研究を拡充することで、競技スポーツ固有の心理的安全性に関する理解はより一層深まるだろう。
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