講演情報
[03心-ポ-43]大学体育授業における主観的恩恵評価とライフスキル獲得との関係
*藪中 佑樹1、早川 琢也2、成相 美紀2、前田 奎2、田中 奏一2、高橋 啓悟3、金田 和輝2、銘苅 淳4、小俣 貴洋2、細野 裕希2、梶田 和宏2、新野 弘美2、濱中 良2 (1. 龍谷大学経営学部、2. 京都先端科学大学健康医療学部、3. 徳島大学大学院社会産業理工学研究部、4. アルバモス大阪)
【背景】大学体育授業は、大学生がライフスキル(LS)を身につける重要な場である一方で、授業内でのどのような学びや気づきがLSの獲得に寄与するのかについては、十分に検討されていない。そこで本研究では、大学体育授業の主観的恩恵とLSとの関連を明らかにすることを目的とした。【方法】調査は2024年9月(第1週)および2025年1月(第15週)にかけて実施した。体育授業を受講しており、両調査に不備なく回答した大学生527名(平均年齢:19.4±0.9歳)を分析対象とした。調査内容は、第15週に体育授業の主観的恩恵評価尺度(西田ほか,2016)、第1、15週に日常生活スキル尺度(DLS、島本・石井,2006)を用いた。主観的恩恵評価尺度の各下位尺度を説明変数、第15週のDLSの各下位尺度を目的変数とし、共分散構造分析を行った。第1週のDLSの各下位尺度得点、性別、学年、受講種目、運動部活動所属の有無を統制変数とした。【結果】「運動スキル・練習方法の習得」から「リーダーシップ」(β=.13、p<.05)、「共同プレーの価値理解とコミュニケーション能力の向上」から「対人マナー」(β=.14、p<.05)、「ストレス対処とポジティブ感情の喚起」から「親和性」「前向きな思考」(順にβ=.26、.28、いずれもp<.01)、「体力・身体活動の増強」から「リーダーシップ」「計画性」「情報要約力」(順にβ=.12、.18、.14いずれもp<.05)に対して有意な正のパスが認められた。【考察】大学体育授業において、これらの主観的恩恵を実感できる授業がLS獲得に寄与することが示唆された。以上から、運動技能の上達や学生同士の交流、運動による爽快感、体力の増強に関する気づきや学びを促す授業展開がLS獲得にとって重要であると考えられる。
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