講演情報

[03心-ポ-55]男子大学生における首尾一貫感覚と運動に関する意思決定バランスとの関連

*園部 豊1、平山 浩輔1 (1. 帝京平成大学)
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首尾一貫感覚(Sense of Coherence;以下SOC)と身体活動との関連において,SOCは運動セルフ・エフィカシーを媒介し、運動行動の変容ステージに肯定的な影響を与えることが分かってきている(清水ら,2019)。運動行動の変容ステージに影響を与える要素の一つに、運動に関する意思決定バランスがある。SOCが意思決定バランスに影響を与えることが明らかとなれば、定期的運動習慣獲得のための有益な知見となる。そこで本研究では、男子大学生を対象として、SOCと運動に関する意思決定バランスとの関連について検討することを目的とした。対象者は、男子大学生430名(平均18.55±1.56歳)であった。調査内容は日本語版SOC-29 (Antonovsky,1987山崎・吉井監訳 2001)および運動に関する意思決定バランス尺度(岡ら,2003)とした。SOCの合計得点を用いて中央値を算出し、SOC低群とSOC高群に対象者を分け、分析を行った。初めにSOCの高低で意思決定バランス各因子に得点の違いがあるかを検討するために、対応のないt検定を行った。その結果、SOC高群は低群に比べ恩恵因子の得点が有意に高く、負担因子の得点が有意に低いことが分かった。次にSOCの高低それぞれにおいて、意思決定バランス2因子を従属変数、SOC3要素を独立変数とした強制投入法による重回帰分析を行った。その結果、恩恵因子へはSOC高低とも有意味感および処理可能感が正の影響を与えていた。負担因子へはSOC高群における有意味感のみが負の影響を与えていた。以上の結果から、SOCが高いことは運動実施に対する恩恵の評価が高くなり、負担の評価が低くなることが分かった。特に有意味感が恩恵や負担の評価に関連することが示された。

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