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[03心-ポ-61]アスリートにおける熱望・警戒イメージ尺度の作成

*相川 聖1、高井 秀明2、平山 浩輔3、三村 覚2、齋藤 雅英2 (1. 関西学院大学、2. 日本体育大学、3. 帝京平成大学)
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制御焦点理論(Higgins, 1997)では,促進焦点と防止焦点という2つの特性(制御焦点)から目標追求のプロセスにおける個人差が説明されている.さらに,制御焦点と方略が適合(制御適合)することで課題成績の向上が示されている(Higgins, 2000).本研究では,アスリートの目標追求における方略としてイメージに着目し,アスリートの熱望・警戒イメージ尺度を作成することを目的とした.関東圏および関西圏の大学生のうち,大学の運動部または大学以外のクラブに所属し,競技力向上を目的としてスポーツを行っている大学生アスリート347名(男性198名,女性147名,回答しない2名,平均年齢19.8±1.0歳)を分析対象者とした.尺度の原案は,アスリートから自由記述によって収集した熱望・警戒イメージ(相川ほか,2024)から生成した28項目,Ouschan et al.(2007)やHall et al.(1998)を参考にして作成した30項目によって構成された.尖度・歪度による項目分析および探索的因子分析を行った結果,27項目が削除され,2因子31項目の解が示された.本研究では今後の尺度の利便性も考慮し,因子の項目の中から,イメージの5つの機能(Hall et al., 1998)ごとに最も因子負荷量の高い項目を選定した.選定した10項目に対して,再度探索的因子分析を行い,最終的な因子パターンを確認した.第1因子は熱望イメージ,第2因子は警戒イメージの項目で構成されていた.得られた2因子10項目の解に対して確認的因子分析を行い,モデルの適合度は許容範囲であることを確認した.また,尺度の十分な内的一貫性が示された.本研究によって,イメージの5つの機能を反映した熱望・警戒イメージ尺度が作成され,構成概念妥当性のうち,内容的な側面と構造的な側面,一般化可能性の側面で証拠が確認された.

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