講演情報
[08測-ポ-09]中学生および大学生野球選手における身体的要素とスイング速度の関係
*大城 勝生1、今若 太郎2、畑島 一翔1、田中 重陽1 (1. 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科、2. 上智大学基盤教育センター)
野球の打撃に関する先行研究によれば、スイング速度には身体的要素が関係していることが明らかにされている。一方で、先行研究は大学生や社会人などの成人野球選手を対象としたものが多い。身体の形態や様々な運動能力が著しく変化する発育期において競技特有のパフォーマンスに関係する体力要素を向上させることは重要である。また、発育期の野球選手におけるスイング速度に影響を与える身体的要素は成人野球選手と異なる可能性が考えられる。本研究では中学生および大学生野球選手を対象として、スイング速度と身体的要素との関係について比較検討することを目的とした。対象者は中学生野球選手42名(JG)と大学生野球選手101名(CG)とした。形態項目として身長、体重、除脂肪量を、体力項目として、握力、背筋力、垂直跳跳躍高、リバウンドジャンプ指数、直線走タイムを、打撃パフォーマンスの指標としてスイング速度をそれぞれ計測した。各測定項目とスイング速度との関係性について検討するためにピアソンの積率相関係数を算出した。また、スイング速度に対する身体的要素の寄与率を調べるためにスイング速度を従属変数としたステップワイズ法による重回帰分析を行った。JGとCGのいずれもスイング速度と身長、体重、除脂肪量および左右の握力との間に有意な相関関係が認められた。さらにJGのみ、年齢、背筋力、垂直跳跳躍高および直線走タイムとスイング速度の間に有意な相関関係が認められた。重回帰分析の結果、JGとCGともに説明変数として除脂肪量と垂直跳跳躍高が選択され、それぞれの寄与率はJGが72.5%、CGが43.5%を示した。以上の結果から、JGとCGではスイング速度と有意な相関関係にある体力項目が異なること、また、JGのスイング速度に対する身体的要素の寄与率はCGよりも高いことが明らかとなった。
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