講演情報
[08測-ポ-13]野球選手におけるスクワットのパワー発揮特性とスイング速度の関係
*齋藤 大成1、田邉 凱聖1、畑島 一翔1、田中 重陽1 (1. 国士舘大学大学院)
野球の打撃においてスイング速度を高めることは、より鋭い打球を放つために必要な要素である。打撃能力の向上に必要な体力的要素を考慮すると、下肢の大きなパワー発揮能力を高めることの重要性が伺える。しかしながら、野球のスイング速度とスクワット(SQ)の関係について検討した研究では、最大挙上重量(1RM)を指標としているものは多くみられるが、異なる負荷におけるパワー発揮特性を評価した研究は少ない。そこで本研究では、下肢パワーの発揮特性について分析しスイング速度との関係を明らかにすることを目的とした。被験者は大学準硬式野球部に所属する野手26名とした。体重及び除脂肪体重は身体組成測定装置を用いて測定した。ティースタンドにボールを置いた状態で全力による打撃を行わせ、Blast Baseballによりスイング速度を計測した。SQはGym Awareを用いて40(L-L),60(M-L),80(H-L)%1RMの3つの負荷(L)における最大努力での挙上速度(V)を計測した。挙上速度と負荷重量により各試技のパワーを算出した。また、負荷の増大に伴う挙上速度の変化の指標はL-V回帰直線の傾きとして評価した。除脂肪体重及びSQの1RMとスイング速度はそれぞれ有意な正の相関関係が認められ、この結果は先行研究を支持するものであった。各負荷でのパワーはいずれもスイング速度と有意な正の相関関係が認められ、M-L(r=0.537)が最も高い相関係数を示した。L-V関係における回帰直線の傾きとスイング速度の間には有意な負の相関関係が認められた。以上の結果から、高いスイング速度を獲得するためには、下肢パワー発揮能力が重要であることが明らかとなった。また、高負荷を伴うSQトレーニングにおいて挙上速度を減少させずに高いパワーを発揮することの重要性が示唆された。
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