講演情報
[08測-ポ-17]盗塁を意識した走塁条件下における走動作特徴と下肢形態との関係
*久野 峻幸1、西本 浩章1、野上 展子2 (1. 神戸医療未来大学、2. 大阪成蹊大学)
【はじめに】野球における盗塁は、試合の流れを左右する重要なプレーであり、塁上での判断力に加え、スプリント能力と素早いスタート、さらにはスライディングといった一連の動作が必要とされる。従来の研究では、30m直線疾走などを用いてスプリント能力を評価されることが多いが、これらは盗塁における実際の動作を十分に反映しているとは言い難い。盗塁ではリード動作から始まり、相手の動作を見て反応し、加速、走行、そして最終的なスライディングという流れが一般的である。したがって、盗塁動作を明らかにするためには、盗塁に特有な状況を再現した上での走塁中の分析が重要であると考えられる。そこで、本研究では、盗塁を意識させた実戦に近い条件下での走塁パフォーマンスの特徴を明らかにすることを目的とし、今後の走塁指導に活かす知見を提供する。加え、走塁中の動作指標と身体的特徴が動作に与える影響についても検討した。【方法】男子選手10名(18.8±0.6歳, 175.2±5.5cm, 74.4±8.2kg)を対象とした。各選手に対し、①リード動作およびスライディングを含む盗塁を意識した一塁から二塁への走塁(盗塁条件)、②塁間距離27.431mでの通常直線疾走、③30m直線疾走(いずれもスタンディングスタート)の3条件にて実施させた。各走塁は右側方からハイスピードカメラ(GC-YJ40)を用いて撮影し、映像解析によりストライド、ピッチ、疾走速度を算出した。また体組成は体組成計(DF860)を用いて算出し、膝蓋腱の長さ、横断面積は超音波画像診断装置にて測定した。【結果】盗塁条件では、通常条件(27.431m、30m)と比較して有意に高い疾走速度(p<0.05)が確認された。また、盗塁条件における平均ストライドと膝蓋腱の横断面積との間には有意な負の相関関係(r ≒ -0.732, p<0.05)が認められた。
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