講演情報
[08測-ポ-26]大学運動選手における浮き趾の有無による足趾筋力、ファンクショナルリーチ、体格、及び身体組成の比較
*佐藤 敏郎1、出村 慎一2、青木 宏樹3 (1. 新潟医療福祉大学、2. 金沢大学、3. 福井工業高等専門学校)
【背景】浮き趾は足趾機能の低下を招き、立位姿勢の不安定化や、歩行時の蹴り出し・重心移動の困難化の要因となる。また、浮き趾は歩行効率や転倒リスクにも関係する。優れた運動競技選手の中にも浮き趾を有する者が存在する。浮き趾が足趾筋力、ファンクショナルリーチ、体格、及び身体組成、さらには足部の痛みや怪我の既往に与える影響については殆ど研究されていない。【目的】本研究では運動部に所属する大学男子学生95名を対象に、浮き趾の有無による足趾筋力、ファンクショナルリーチ、体格、及び身体組成の差を比較するとともに、足の痛み、及び過去の足部の怪我の有無との関係について検討した。【方法】浮き趾の判定には足形状測定器を用いた。被験者が、身長計の尺柱に相当する垂直板に両踵をつけ背中に当てた安定背面接地立位姿勢(背中付立位姿勢)時の足底接地面を撮影した。浮き趾の有無と現在の足部痛、及び過去の足部外傷歴との関係は連関係数により検討した。また、浮き趾の有無群間の足趾筋力、ファンクショナルリーチ、体格、及び身体組成の差は、対応のないt検定により検討した。有意水準は5%とした。【結果及び考察】浮き趾は、右足で6.3%、左足で14.7%、左右いずれかに認められた者は15.8%であった。浮き趾有無群間の足趾筋力、ファンクショナルリーチ、体格、及び身体組成には有意差は認められなかった。また、浮き趾の有無と現在の足部痛、過去の足部外傷歴との間にも有意な関係は認められなかった。【まとめ】大学運動選手において浮き趾は約16%に認められた。浮き趾の有無は足趾筋力、動的平衡性、体格、及び身体組成、足部障害と関係がないと判断された。
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