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[08測-ポ-28]若年者における支持基底面変動器具上での重心動揺変数の信頼性、及び前後と左右受動的バランス能力の性差及び方向差
*長澤 吉則1、出村 慎一2、青木 宏樹3、永山 亮一4 (1. 京都薬科大学基礎科学系健康科学分野、2. 金沢大学、3. 福井工業高等専門学校、4. 北陸学院大学)
【背景】支持基底面が前後と左右に傾く場合、ヒトが両変動時に発揮する受動的バランス能力は異なると考えられるが、これまでほとんど明らかにされていない。【目的】本研究では前後あるいは左右下方にわずかに支持基底面が変動する不安定器具上での立位中の重心動揺変数の信頼性、及び両受動的バランス能力の性差及び方向差を検討する。【方法】若年者71名(男性48名:19.1±0.9歳、女性23名:19.1±1.1歳)を対象とした。彼らは、支持基底面変動(器具変動)上で接地検知板の端に接触しないように、安定立位姿勢を1分間維持することを指示された。測定器は対象者の立位中の重心動揺を測定できる。測定は前後と左右変動条件で1練習試行後、1分の休憩を挟み、2試行実施した。XとY軸軌跡長、総軌跡長、外周面積、及び矩形面積を評価変数(動揺変数)とした。試行間差は対応のあるt検定、信頼性は級内相関係数(ICC)より検討した。また、男女及び前後、左右変動の両要因の動揺変数の平均値の差は、一要因(変動)に対応のある二要因(要因1:性×要因2:変動)分散分析より検討した。【結果】前後器具変動時の総軌跡長及び外周面積、左右器具変動時のX軸軌跡長及び総軌跡長の試行平均値間に有意差が認められたが、効果量は0.2以下であった。ICCは前後及び左右器具変動とも0.7以上であった。2試行の平均値を代表値とした分散分析の結果、距離変数(XとY軸、及び総軌跡長)にのみ要因2(変動)の主効果に有意性が認められ、多重比較の結果、男女ともX軸軌跡長及び総軌跡長は、左右器具変動時が前後器具変動時より、Y軸軌跡長は前後器具変動時が左右器具変動時より高値であった。【結論】前後及び左右器具変動時の動揺変数の信頼性は高い。前後と左右器具変動時に発揮される受動的バランス能力に性差なく、両変動に対応する受動的バランス能力は異なる。
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