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[08測-ポ-33]体力テストによる客観データと問診による主観データから見た転倒リスクに対する加齢の影響

*加藤 貴英1、早坂 太一1、近藤 雅哉1、川越 隆2、大須賀 洋祐3 (1. 豊田工業高等専門学校、2. 愛知医科大学、3. 国立長寿医療研究センター)
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<目的>本研究では身体機能データおよび転倒に関する問診データを高齢者,中年者,若年者を対象に収集し,転倒リスクに対する加齢の影響について検討した.
<方法>参加者は高齢者10名(65±3歳),中年者10名(45±2歳),若年者12名(25±2歳)の計32名であった.転倒ハイリスク者の発見のための問診(鳥羽ら,日老医誌,2005)を実施した後,形態計測および安静時血圧,握力,開眼片脚立ち,5m歩行速度,Timed up and go test(TUG)を測定した.過去1年間における転倒群23名と非転倒群9名に群分けし,形態計測と身体機能データの比較は対応のないt検定を行った.また,転倒歴の有無および各質問項目の回答からクロス集計し,Fisherの直接法による確率を確認した.
<結果>過去1年間に転倒した割合は高齢者が60%,中年者が10%,若年者が17%で,転倒群(53±18歳)と非転倒群(40±15歳)の年齢比較は有意であった(t(30)=2.206, p=0.035, d=0.833).身長,体重,体脂肪率等,形態計測項目に差はなかったが,転倒群において安静時収縮期血圧が有意に高く(t(30)=2.495, p=0.018, d=0.819),開眼片脚立ち時間が有意に短かった(t(30)=2.345, p=0.026, d=0.818).
<結論>過去1年間の転倒経験率は体格に関係なく高齢になるほど高まり,転倒経験者は血圧が高く,バランス能力が衰えていた.本研究では,問診データとの有意な関係を示すには不十分であったため,今後の検証として追加実験を行う必要がある.

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