講演情報
[09コ-ポ-19]体操競技の跳馬における〈片外手片内手着手〉〈伸身ユルチェンコ3/1ひねり〉に関する発生分析
*橘 汐芽1 (1. 筑波大学大学院)
本研究は、体操競技の跳馬における高難度技〈後転とび後方伸身宙返り3/1ひねり(以下、〈伸身ユルチェンコ3/1ひねり〉とする。)〉の習得過程に関して、発生運動学における「発生分析」(渡辺, 2015, p.4)を行ったものである。〈伸身ユルチェンコ3/1ひねり〉は跳馬に対して後ろ向きに踏切りを行い、〈後転とび〉で着手した後に〈後方伸身宙返り〉を行いながら〈後方3/1ひねり〉を行う、高難度の跳躍技である。しかし、この技を競技会で実施する選手は極めて少ない。さらに、映像資料から本技の着手方法として、〈内手着手〉〈外手着手〉〈片外手片内手着手〉の3種類の方法が映像資料によって確認されているが、このうち〈片外手片内手着手〉で成功させた選手は1名のみである。このことから、本研究では〈片外手片内手着手〉の方法で〈伸身ユルチェンコ3/1ひねり〉を習得し、その過程で得られたコツ情報を提示することを目的とした。
そのために本研究では、既に発表者がなじみのあった〈内手着手〉および〈外手着手〉の動感意識が基に、〈片外手片内手着手〉〈伸身ユルチェンコ3/1ひねり〉の習得過程における様相変化とコツ発生のプロセスについて詳細に記述した。また、特に習得の転機となった事柄に対して、コツの意味構造分析を行った。
発表者の習得過程において特に転機となったのは、「肘が曲がる着手位置をねらう」という〈内手着手〉のねらい方を応用した際に、両腕で鋭く突き放すことが可能になった事柄であった。このコツの意味は、着手時に左右の腕が別々の機能を果たし、身体のねじりが生しさせ、両腕を機能させて突き放すことができるようになることだとわかった。
引用・参考文献
渡辺良夫(2015)個別運動学と一般運動学の架橋性, 伝承15:1-26.
そのために本研究では、既に発表者がなじみのあった〈内手着手〉および〈外手着手〉の動感意識が基に、〈片外手片内手着手〉〈伸身ユルチェンコ3/1ひねり〉の習得過程における様相変化とコツ発生のプロセスについて詳細に記述した。また、特に習得の転機となった事柄に対して、コツの意味構造分析を行った。
発表者の習得過程において特に転機となったのは、「肘が曲がる着手位置をねらう」という〈内手着手〉のねらい方を応用した際に、両腕で鋭く突き放すことが可能になった事柄であった。このコツの意味は、着手時に左右の腕が別々の機能を果たし、身体のねじりが生しさせ、両腕を機能させて突き放すことができるようになることだとわかった。
引用・参考文献
渡辺良夫(2015)個別運動学と一般運動学の架橋性, 伝承15:1-26.
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