講演情報

[09コ-ポ-23]大学野球選手のバッティングにおける踏込み動作の実態と踏込み後の打撃動作との関係

*桑原 潤也1、藤井 雅文2、前田 明2 (1. 鹿屋体育大学大学院、2. 鹿屋体育大学)
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野球の打撃動作において、踏込み動作はタイミングの調整やエネルギーの獲得といった観点から極めて重要な役割を果たす。ステップの幅や方向、さらには予備動作としての足部の挙上方法などには選手個々の意図や感覚が反映されるため、選手の個性が顕著に表れる要素の一つであるといえる。本研究では、大学野球選手におけるバッティング時の踏込み動作の実態を明らかにし、その後の打撃動作要素との関係性を検討することを目的とした。対象は2021年から2024年にかけてK大学硬式野球部に所属した野手75名とし、ティースタンド上のボールをセンター方向へ最大努力で打撃するティーバッティングを実施した。光学式モーションキャプチャシステムおよびフォースプレート一体型バッターボックスを用いて試技中の動作を計測した。分析項目として、踏込み動作の幅や方向、予備動作である足部挙上高とスイング速度、身体重心位置の三次元変位、地面反力、力積等との関係性を検討した。その結果、ステップ幅は下肢長に対して38.5%~54.8%の範囲、ステップ方向(右打席から左打席に向かう方向の着地点)は軸足位置に対して−0.26cm~0.09cmの範囲、足部挙上高は17.8cm~59.1cmの範囲で個人差が見られた。一方で、ステップ幅の大きい選手はスイング速度が高く、前頭部の三次元変位が大きい傾向にあった。また、足部の挙上高の大きい選手は、身体重心位置の三次元変位が大きかった。

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