講演情報
[09コ-ポ-25]バスケットボールのドライブにおけるフェイントのキネマティクス的分析
*宮平 健介1、阿江 数通2、内山 治樹2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)
本研究は、バスケットボールのドライブにおけるボールを横に振るフェイントをキネマティクス的に分析し、ドライブ成功につながる動作とその要因を明らかにすることで指導に役立つ知見を得ることを目的とした。関東大学男子バスケットボール1部リーグ所属選手20名を対象に、1対1の攻防戦をマーカーレスおよびマーカーベースモーションキャプチャーシステム(Qualysis社製、120fps)を用いて撮影した。オフェンスの身体25点、ボール1点の三次元座標値を抽出後、身体重心位置、ボール位置、体幹の前後傾角度、両肩および両腰水平回転角度を算出し、成功試技と失敗試技を比較した。その結果、ボールをフェイント方向から進行方向へ切り返す局面(42%-50%)で、体幹の前後傾角度は成功試技37.6±5.03°から40.6±4.40°、失敗試技42.2±6.42°から45.7±7.31°と成功試技が有意に小さかった(p<0.05)。また、ボールの振り幅は成功試技21.1±0.12cm、失敗試技30.7±0.13cmと成功試技が有意に小さかった(p<0.05)。加えて、両肩と両腰の水平回転角度差は、成功試技6.27±3.28°、失敗試技10.75±4.65°と有意に小さく(p<0.05)、踏み出し1歩目付近(61%)では、成功試技21.50±8.04°、失敗試技16.00±6.64°と成功試技が有意に大きい値を示した(p<0.05)。フェイントは、動きが大きくなるほど身体のバランスを崩しやすく、次の動きが遅れるため小さな動きで相手を大きく動かす技術が望ましいことから(吉井、1986)ボールを横に振るときは、ボールの振り幅や体幹の前傾、捻転差を小さく抑えて身体をフェイント方向に向け、その後の逆方向への踏み出しで肩を進行方向に大きくひねって切り返す動作が、ドライブの成功につながることが示唆された。
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