講演情報
[09コ-ポ-37]大学男子水球選手における水中でのフィールドテストとコーチ評価との関連性
*谷口 耕輔1、西山 哲成1、堀内 健太郎1、和田 直樹1、杉田 正明1 (1. 日本体育大学)
水球競技は1チーム7名のプレーヤーがプール内に設置された縦30m×横20mのフィールドにおいて得点を競い合う球技であり、水中でのスプリントや方向転換、持久的能力など、多様な体力要素が要求される。日本体育大学では、学生アスリートの競技力向上を目的とした日体大アスリートサポートシステムがあり、水球競技選手に対しても体力要素の把握を目的としたフィットネスチェックを実施してきた。従来は自転車エルゴメーターを用いた最大酸素摂取量の評価等を行っていたが、測定結果とコーチによる選手評価との間に乖離がみられたことから、より水球競技に特化したテストバッテリーの必要性が示唆された。そこで本研究では、指導現場において重要視されているパフォーマンス要素に基づいて、競技特性に即したフィールドテストを考案し、大学男子水球選手の体力プロファイルとコーチによる主観的評価との関連性を検討した。対象は、国内トップレベルの大学男子水球選手20名とし、水中15mスプリント、水中反復スイム(5m×3往復)、水中ジャンプ、水中間欠的持久力測定を実施した。同時期にチームコーチ2名による各選手のスプリント能力、俊敏性、持久力についてVAS法で評価を行った。コーチ間の信頼性は級内相関係数(ICC)により中程度(ICC=0.479~0.699)と確認されたため、2名の平均値を解析に用いた。フィールドテスト結果とVAS評価との相関分析の結果、持久力指標である最終泳速度とコーチ評価との間に有意な正の相関関係が認められた(r=0.610、p<0.01)。一方、スプリント能力および俊敏性に関しては有意な相関関係は認められなかった。 競技現場で評価されるスプリントや俊敏性は、泳力や方向転換能力だけでなく、知覚・認知的側面を含む複合的な要素に基づいている可能性が示唆される。今後は、競技特性をより反映した実践的な評価法の開発が求められる。
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