講演情報

[09コ-ポ-51]ハンドボール競技におけるゲームの流れに関する認識対戦した両チームの選手を対象としたインタビュー調査

*小俣 貴洋1、河田 浩貴2 (1. 京都先端科学大学 健康医療学部、2. 順天堂大学 健康スポーツ学部)
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コーチやプレーヤーは,ゲーム中に流れが傾きそうな気配を敏感に感じとる「気配体感能力」(金子,2002)や感じ取った気配に対してどのような対応をするべきかといった「状況把握能力」が求められる(藤本・中村,2016).しかしゲームの流れは,自チーム内の協調や相手チームとの競合という関係性の上に成り立っている(横山・山本,2010)ため,非常に複雑で客観的な理解が難しい.そこで対戦した両チームの選手から聞き取りを行い,同一のゲームの流れについて複数の立場から多面的に検討する必要がある.本研究では,対象試合に出場したプレーヤーにゲームの流れについて語ってもらい,個別の語りから得られた共通点をもとにゲームの流れに関する認識構造に関する仮説を生成することを目的とした.具体的な方法は,20◯◯年度〇〇地方学生ハンドボールリーグ1部-2部入替戦,X大学対Y大学(前半15-17,後半19-14,合計34-31でX大学が勝利)を対象試合として,試合に中心選手として出場していたプレーヤー2名に調査協力を依頼した.対象試合の映像を観察してもらいながら「ゲームの流れ」がどのように移り変わったのかを横軸を時間,縦軸を形勢評価とする評価シートに描画してもらった.描画したグラフと映像をもとに,ゲームの流れについてインタビューを行った.その結果,プレー結果(得点と失点)によって流れの認識は左右されること,特定の文脈(タイムアウトの後,点差が残りの分数を上回る時など)におけるプレー結果は重視,または軽視されること,個人の流れの認識は感情,言動,その後の流れの認識に影響を与え,それらがチーム全体に影響を与える可能性があること,流れの認識とプレー結果に「ズレ」を感じることなどが明らかとなった.

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