講演情報

[13ア-ポ-04]パラ陸上(低身長症)男子やり投における投てき動作の質的分析世界トップ選手と日本トップ選手との比較

*山手 勇一1、山下 直紀1、阿江 通良2、内山 治樹2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)
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日本の低身長症・やり投選手が世界で活躍するためには、世界トップレベルの選手の投てき動作の現状を把握し、日本選手の競技力向上に役立つ知見を得ることが重要であると考えられる。そこで、本研究は、パラ陸上(低身長症)男子やり投選手において世界トップレベルの投てき動作を分析し、その特徴を明らかにするとともに、日本選手の競技力向上を目的とした技術的課題を明らかにすることを目的とした。対象者は、2024年5月に開催された神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会において、男子やり投(F41:低身長症クラス)に出場した10名のうち、日本トップ選手1名(自己ベスト記録:33.80m)と世界トップ選手3名(世界記録保持者を含む上位3名)の4名とした。投てき動作を分析するために、1台のビデオカメラ(AX-700、SONY社製)をやりの助走路の右側方に設置して撮影した。また、日本パラ陸上競技連盟より提供していただいた日本選手の後方からの試技の映像も本研究の分析に使用した。撮影した映像から、Frame-DIAS Ⅵ(Q’sfix社製)を用いて分解写真を作成した。対象者4名の全6試技のうち、最も良い記録であった試技を分析試技とした。また、投てき動作のうち最後の右足接地から左足接地までを準備局面、左足接地からリリースまでを投てき局面とした。世界トップ選手のうち、1位の選手を選手A、2位の選手を選手B、3位の選手を選手Cとし、結果は、選手Aは48.94m(世界新記録)、選手Bは47.92m、選手Cは42.82m、日本トップ選手は34.58m(日本新記録)であった。日本選手は世界トップ選手の動作と比べ、右足接地時では右肘がより屈曲していること、左脚を前に引き出すタイミングが遅れていること、左足接地時では左膝がより屈曲していたこと、リリース時では体幹の前傾がより小さく、体幹が左側屈していたことが明らかとなった。

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