講演情報
[11教-ポ-12]ベースボール型ゲームにおける走塁先行アプローチの試み
*石塚 諭1、土田 了輔2 (1. 宇都宮大学、2. 上越教育大学)
鈴木ら(2003)によると、小学校のベースボール型ゲームは、打撃(一次ゲーム)と走塁(二次ゲーム)の二重構造を持つと見立てることができる。しかし、従来の実践は打撃方法(一次ゲーム)の修正等に傾注され、走塁(二次ゲーム)との接続や学習過程に検討の余地があると考えられる。そこで本研究グループは、伝承遊びを援用し、学習者の意識変容に着目することで「二次ゲーム先行導入」という独自の学習プロセスの開発と有効性の検証に取り組んできた。
研究1では、公立A小学校3年生に対して、伝承遊び「ろくむし」を走塁ゲームに見立て、走塁課題から先に学び、その過程で打撃課題を取り入れる展開に基づき実践した。児童が記入した振り返り記述の内容は、打者、走者、守備者の各局面に関して14場面を想定したカテゴリーをベースボール型用に試作し分析した。その結果、打撃導入後の児童の振り返り記述から走塁に関する記述の割合が一気に打撃に移行するなど、打撃導入による走塁への関心低下という課題を特定した。研究2では、研究1の実践に走塁機会を増やすため、塁を1つ追加し実践を行った。その結果、打撃課題導入後も児童の走塁に対する意識が持続する傾向が明確に示された。さらに研究3では、児童の振り返り記述に加え、参与観察による事例も収集した。その結果、児童が打撃・守備・走塁の三局面に対する認識を、単元を通じてバランス良く深める様子を捉えることができた。
本研究では、これらの実践研究から得られた成果と課題を整理し、「二次ゲーム先行導入」という学習プロセスの有効性を提案する。具体的には、二次ゲームから先に学ぶことで、学習者の走塁への関心を持続させることができ、ゲームの構造的理解を促す上で有効であると考えられる。また、一次ゲームで用いる「打撃」概念を捉え直すことができるなど、今後のカリキュラム開発や指導法改善に新たな視点を加えることができる。
研究1では、公立A小学校3年生に対して、伝承遊び「ろくむし」を走塁ゲームに見立て、走塁課題から先に学び、その過程で打撃課題を取り入れる展開に基づき実践した。児童が記入した振り返り記述の内容は、打者、走者、守備者の各局面に関して14場面を想定したカテゴリーをベースボール型用に試作し分析した。その結果、打撃導入後の児童の振り返り記述から走塁に関する記述の割合が一気に打撃に移行するなど、打撃導入による走塁への関心低下という課題を特定した。研究2では、研究1の実践に走塁機会を増やすため、塁を1つ追加し実践を行った。その結果、打撃課題導入後も児童の走塁に対する意識が持続する傾向が明確に示された。さらに研究3では、児童の振り返り記述に加え、参与観察による事例も収集した。その結果、児童が打撃・守備・走塁の三局面に対する認識を、単元を通じてバランス良く深める様子を捉えることができた。
本研究では、これらの実践研究から得られた成果と課題を整理し、「二次ゲーム先行導入」という学習プロセスの有効性を提案する。具体的には、二次ゲームから先に学ぶことで、学習者の走塁への関心を持続させることができ、ゲームの構造的理解を促す上で有効であると考えられる。また、一次ゲームで用いる「打撃」概念を捉え直すことができるなど、今後のカリキュラム開発や指導法改善に新たな視点を加えることができる。
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