講演情報
[11教-ポ-16]平均台運動における運動アナロゴンの開発に関する研究
*齋藤 卓1 (1. 筑波大学)
学校体育における器械運動は、児童・生徒の基礎的な身体能力を高めるだけでなく、自己表現や他者との協働、そして困難に挑む姿勢を育むうえで重要な役割を果たしている。中でも平均台運動は、バランス感覚や空間認知力を養うとともに、不安や恐怖を乗り越える経験を通じて、自分の力を信じて行動する力を育てることができる運動である。しかしながら、平均台運動は技術的な難しさや安全面への配慮が求められるため、学校現場では指導が難しい種目の一つとされている。特に小学校・中学校の段階では、児童・生徒の発達に応じた段階的な指導が必要とされるが、平均台運動に特化した体系的な指導法は未だ十分に確立されていないのが現状である。そのため、多くの授業では平均台の活用が限定的となり、技能の習得や運動への関心を十分に引き出せていないケースも見受けられる。本研究では、小・中学校における平均台運動の効果的な指導法を開発することを目的とする。具体的には、発達段階に応じた技の選定、安全性を確保した練習環境の整備、児童・生徒の意欲を高める指導言語や教材の工夫などに焦点を当てる。また、現場教員へのアンケート調査や授業実践を通じて、実践的かつ再現性のある指導モデルの構築を目指す。本研究の成果は、学校体育における平均台運動の指導の質を高め、児童・生徒が主体的に運動に取り組む姿勢を育むとともに、教員の指導力向上や授業の充実にも寄与することが期待される。付記:本研究はJSPS科研費23K10736の補助を受けて行われた。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
