講演情報
[11教-ポ-24]保健体育科教員の生徒指導担当における役割認識変容プロセスチーム学校における新たな役割の模索
*岡田 大暉1、齋藤 祐一1 (1. 鳴門教育大学大学院)
令和4年改訂の生徒指導提要では「児童生徒が、社会の中で自分らしく生きることができる存在へと、自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動」としての生徒指導が期待されている。同時に教員の働き方改革も基本方針に含まれ、チーム学校による生徒指導体制の構築が推進されている。
しかし先行研究では、保健体育科教員(以下、保体教員)が生徒指導で中心的役割を担う傾向が指摘されてきた。木村ら(1991)は高校で4割以上の保体教員が生徒指導を担当していることを示している。
保体教員が生徒指導を引き受ける背景には、学校側の要望により「したくないがしなければならないもの(杉本, 1988)」として捉えていることや、本意ではない配属や他校務分掌への不安から生徒指導担当を選択せざるを得ない状況(石村・山西, 2007)がある。このように、保体教員の生徒指導に対する役割意識は、周囲からの期待という外的要因と環境的要因が絡み合って形成されている。また門屋ら(2016)は、生徒指導や部活動指導により保体教員が学校内での立場を確保していると推察しており、表面上は主体的な関与に見えても実態は異なる可能性がある。
チーム学校による生徒指導体制の確立には、これまでの経緯を踏まえつつ学校組織を再構築する必要がある。現行の学習指導要領でも「学習指導と関連付けながら(文部科学省, 2018)」生徒指導を展開する必要性が指摘されており、保体教員には従来の経験と教科の専門性を活かした新たな生徒指導の実践が期待される。しかし、生徒指導を担当する保体教員自身の役割認識や実践における葛藤、キャリア形成過程での内面的変容は十分に解明されていない。
そこで本研究では、長期にわたり生徒指導を担当してきた保体教員のライフストーリーを事例的に分析し、チーム学校時代における保体教員の生徒指導への関わり方の再構築に向けた示唆を得ることを目的とする。
しかし先行研究では、保健体育科教員(以下、保体教員)が生徒指導で中心的役割を担う傾向が指摘されてきた。木村ら(1991)は高校で4割以上の保体教員が生徒指導を担当していることを示している。
保体教員が生徒指導を引き受ける背景には、学校側の要望により「したくないがしなければならないもの(杉本, 1988)」として捉えていることや、本意ではない配属や他校務分掌への不安から生徒指導担当を選択せざるを得ない状況(石村・山西, 2007)がある。このように、保体教員の生徒指導に対する役割意識は、周囲からの期待という外的要因と環境的要因が絡み合って形成されている。また門屋ら(2016)は、生徒指導や部活動指導により保体教員が学校内での立場を確保していると推察しており、表面上は主体的な関与に見えても実態は異なる可能性がある。
チーム学校による生徒指導体制の確立には、これまでの経緯を踏まえつつ学校組織を再構築する必要がある。現行の学習指導要領でも「学習指導と関連付けながら(文部科学省, 2018)」生徒指導を展開する必要性が指摘されており、保体教員には従来の経験と教科の専門性を活かした新たな生徒指導の実践が期待される。しかし、生徒指導を担当する保体教員自身の役割認識や実践における葛藤、キャリア形成過程での内面的変容は十分に解明されていない。
そこで本研究では、長期にわたり生徒指導を担当してきた保体教員のライフストーリーを事例的に分析し、チーム学校時代における保体教員の生徒指導への関わり方の再構築に向けた示唆を得ることを目的とする。
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