講演情報
[09コ-ポ-12]パラスポーツコーチの成長に関する体系化への試み
*橋口 泰一1、伊藤 雅充2、伊佐野 龍司1、大嶽 真人1 (1. 日本大学、2. 日本体育大学)
パラスポーツはリハビリからハイパフォーマンスまで多様なレベルで展開されており、実施率向上には人的環境の整備が鍵となる。しかし、コーチに求められるスキルや育成方策は明確でなく、障害や競技特性を理解する人材の育成と拡充は、参加促進および競技力向上の両面において喫緊の課題である。カナダやオーストラリアでは、パラスポーツコーチ向けの資格制度が整備され、競技力向上に寄与している(Misener and Darcy, 2014)。特にオーストラリアはブリスベン2032パラリンピックを見据えた養成事業を進めており、物理的・社会的障壁の克服策も示されている。一方、日本では歴史的背景を踏まえつつ、コーチや支援人材の量的・質的拡充が依然として課題とされている。こうした課題は,日本のパラスポーツに関わるコーチや支援人材の成長過程が明らかにされていないことに起因していると考えられる。以上の問題背景を踏まえ,本研究はパラスポーツを対象にしたコーチの成長の体系化を試みることを目的とした。本研究を推進することで日本型のコーチ養成体系の構築に向けた基盤となることが期待される。上述の目的を達成するために,国内外の熟達したパラスポーツコーチが有する実践知に内包されたスキルや指導観、成長プロセスを半構造化インタビュー(指導観・経験・具体的な取り組み等)によって抽出した。得られたデータと共に支援者の実践知に関する先行研究(橋口ほか,2020;橋口ほか,2022;Isano et al., 2024)を統合し,パラスポーツの指導やコーチ養成に見識を有する共同研究者間の協議によって、パラスポーツにおけるコーチの成長過程を体系化した。当該体系のモデル図に、パラスポーツに関わる支援者についてもコーチの成長を支える重要な位相として位置付けられたことは、スポーツコーチと一線を画すと考えられる。詳細は当日に報告する。
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