講演情報
[09コ-ポ-22]大学女子ラクロスにおけるシュート精度維持可能なシュート速度域
*上北 江里華1、吉村 颯馬1、山下 直之2 (1. 京都工芸繊維大学大学院、2. 京都工芸繊維大学)
シュートやパスの球速と精度はトレードオフの関係にある.サッカーや野球選手を対象に球速と精度の関係を検討した研究では,精度を維持できる最大速度域は最大シュート速度の80–90%であったと報告された.しかし,用具を使用してシュートやパスをするラクロス選手では,他の競技選手と同様の速度―精度関係にあるか否かはほとんど検討されていない.本研究はシュート精度を保ちつつより高速のシュートを打つための知見を得るために,女子ラクロス選手のシュート速度と精度の関係を明らかにすることを目的とした.対象者は大学生ラクロス女子選手16名(年齢,20.9 ± 2.2歳;身長,158.3 ± 3.5cm;体重,53.0 ± 4.7kg;体脂肪率,22.8 ± 5.1%;競技歴,2.2 ± 1.5年;競技レベル,2部リーグ)であった.対象者は事前に最大速度を測定した.そして最大速度の70–80%,80–90%,90%以上の各速度域においてゴールの所定の位置を狙い10回シュートし,その成功率からシュート精度を評価した.疲労の影響評価のために実験前後に最大努力で各10回シュートし,その速度の変化から疲労度の影響を評価した.球速はレーダーガンを用いて測定し,全てのシュートはランニングシュートを採用した.実験前後における最大シュート速度に有意差はなかった(p = 0.895).シュート精度については,最高速度の90%以上でのシュートの成功率(14 ± 15%)が他の速度域の精度(70–80%, 36 ± 21 % p = 0.05; 80–90%, 30 ± 24% p = 0.05)と比較して有意に低下した.これらの結果から,ラクロス選手はシュート精度を保ちつつより速いシュートを放つために最大シュート速度が向上するトレーニングが推奨されることが示唆された.
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