講演情報

[09コ-ポ-30]大学女子一流ソフトテニス選手における切り返し動作の特徴左右差に着目して

*堀内 健太郎1、西山 哲成1、篠原 秀典1、谷口 耕輔1、小黒 喬史1、和田 直樹1、杉田 正明1 (1. 日本体育大学)
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テニスは急停止・急加速・方向転換を繰り返す競技であり、中でも切り返し動作は守備対応やポジション修正において重要である。従来は他競技を対象としたバイオメカニクス的研究が多く、女子ソフトテニスのトップ選手に特化した分析は少ない。そこで本研究では、一流女子大学ソフトテニス選手8名(全員右利き)を対象に、mod505テストをハードコートにて実施し、切り返し足ごとに三次元動作解析を行い、身体重心速度や体幹・下肢関節角度の変化を比較することで、パフォーマンス向上に資する知見を得ることを目的とした。
 撮影にはマーカーレスモーションキャプチャシステム(Miqus, Qualisys社製)を使用し、切り返し前後の各2歩間を分析区間とした。得られたデータから、身体重心や下肢関節角度を算出し、右足切り返し(R条件)と左足切り返し(L条件)間で対応のあるt検定(有意水準5%)により比較した。
 その結果、平均重心速度はR条件(2.65±0.04m/s)がL条件(2.52±0.12m/s)より有意に大きく、R条件の方が切り返し技術に優れていることが示唆された。また、体幹の角度は、切り返し動作中でR条件の方が有意に大きかった。一方、下肢三関節には有意差はなかった。以上より、女子ソフトテニス選手は、R条件において、切り返し時、体幹を軸足側にあまり倒さず、効率的なブレーキと切り返し後の一歩目の加速のための姿勢を作っていることが考えられた。一方で、L条件では、軸足側に体幹が倒れすぎていることが技術的課題であると考えられた。本研究は、女子ソフトテニス選手へのフットワーク指導や競技力向上に資する実践的資料となることが期待される。

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