講演情報

[09コ-ポ-36]卓球サービスに対するレシーバーの視線の特徴

*浦 侑穂1、吉田 和人2 (1. 順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科、2. 順天堂大学大学院)
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卓球のレシーブでは、世界トップレベルの選手でさえ、回転判別を誤ったことにより返球できず、失点している場面が頻繁に観察される。これは、サービスの回転を正確に判別することの重要性の高さを示している。本研究は、「サービスの回転を判別するために、レシーバーはどこを見ているか」を実験的に明らかにしようというものである。被験者は、関東学生卓球連盟に登録する20名の大学生選手とした。試技は、モニターに映し出されるサービス動画を観察し、20本のサービスに対して回転判別を行うこととした。サービスは、上回転系と下回転系の回転で、それぞれにサービス動作にフェイントを加えたものと加えていないものの4種類とした。これらのサービスの順番はランダムとした。実験時のサーバーは、フェイント動作などにより、レシーバーにとって回転判別が困難なサービスを行うことができる選手1名とした。被験者は回転を判別したタイミングで、上回転系あるいは下回転系のボタンを押して回答した。さらに、回答直後に、回転判別の確信度を回答した。被験者の視線は、サンバイザータイプのアイマークレコーダー(EMR-10、nac社)を用いて、視野映像は60Hz、注視点は120Hzで測定した。その結果、サービス動作の開始からサービス打球までの視線は、(1)終始ボールを追う、(2)ボールは追わずにサービス打球位置を予測して先回りする、(3)サーバーのラケットの動きを追う、(4)サーバーの顔を見る、(5)その他、のパターンに分類された。視線パターンは、20試技全てで同じ被験者が5名、試技間で異なる被験者が15名であった。これらについて、視線パターンと被験者の競技力や試技ごとの回転判別の確信度などとの関係を検討することが今後の課題である。今回のデータは、レシーブにおけるサービス動作の見方に関するコーチングに有用な基礎的データとなるものと期待される。

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