講演情報
[09コ-ポ-46]バスケットボールのゲームにおける状況認知等の基礎的知識と状況判断能力との関連による速攻場面の類型化
*八板 昭仁、青柳 領
バスケットボールの作戦や戦術などの競技力に関わる基礎的知識の有無は,競技中の状況判断に影響を及ぼし,プレイヤーの戦術行動に一定の関連があることが報告されている(八板ほか, 2024).一方,基礎的知識を有するにも拘わらず正しい状況判断が困難な場面や基礎的知識に関わりなく正しい状況判断が可能な場面があることも指摘されている.本研究は,バスケットボールの速攻時の状況認知とプレイ選択に関する基礎的知識と状況判断能力の関連から速攻場面の類型化を試みようとするものである.高等学校のバスケットボール部に所属する357名を対象に,14項目(速攻場面)の紙面による静止画を用いた①基礎的知識テスト(八板ほか, 2022)と同場面の動画を用いた②状況判断能力テストを実施した.①基礎的知識テストと②状況判断能力テストの結果によって「知識○:状況判断○」,「知識○:状況判断×」,「知識×:状況判断○」,「知識×:状況判断×」の4群に分類して速攻場面別に4×14のクロス集計表を作成した.コレスポンデンス分析を用いて基礎的知識の有無と状況判断能力の関係によって速攻場面をマッピングし,算出されたカテゴリースコアによってクラスター分析し,基礎的知識と状況判断能力の関係における速攻場面の特徴を検討した.その結果,「知識○:状況判断○」はショット志向プレイの可否が明確な状況,「知識○:状況判断×」は1パスでショット試行が可能な状況,「知識×:状況判断○」はショット志向に積極的にプレイする状況,「知識×:状況判断×」は2対2等においてショット志向プレイが困難な状況,および「状況認知に関する知識が十分ではない状況」の5つのクラスターを解釈することができた.基礎的知識と状況判断能力の関係における速攻場面の特徴を類型化することで,類似の場面における状況判断に関するコーチングに貢献でき得る結果と考えられる.
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