講演情報
[03心-ポ-16]ウエイトリフティングのスナッチにおける挙上重量が視線行動およびバーベルの運動学的特徴に与える影響
*新谷 遼1、菊政 俊平1 (1. 金沢学院大学スポーツ科学部)
本研究では、ウエイトリフティングのスナッチにおける挙上重量が視線行動およびバーベルの運動学的特徴に与える影響について検討することを目的とした。大学ウエイトリフティング競技部に所属する男子89kg級の選手12名を対象とした。視線を測定するため眼球運動測定装置を装着した上で、低重量条件(最大挙上重量の50%)と高重量条件(最大挙上重量の80%)の2条件を3試技ずつ行った。スタートポジションからキャッチポジションまでの時間におけるバーベルの水平方向変位や鉛直方向変位、最高速度や平均速度について分析を行った。また、眼球運動測定装置に記録された映像をもとに、視線角度の最大値、最小値、最大値-最小値、平均値を算出した。バーベルの運動学的変数および視線角度について、低重量条件と高重量条件の違いについて分析を行った。その結果、挙上重量が軽い場合の方が重い場合に比べて、バーベルの最大速度が高いことや、前方への変位が大きく、キャッチ高が高いことが明らかになった。次に、視線角度については、挙上重量が軽い場合の方が重い場合に比べて、特にファーストプル局面(動作時間の20%の時点)で視線が下方を向いていることが明らかになった。これらの結果は、挙上重量が視線行動やバーベルの運動学的特徴に影響を及ぼしていることを示唆するものである。さらに、バーベルの運動学的変数と視線角度の関係について相関分析を行った結果、視線角度の変化とバーベルの水平方向の動きが関係しており、挙上重量が重い場合は、視線角度の変化が大きいほど、バーベルが水平方向の最大速度が低く、後方変位が大きいこと、挙上重量が軽い場合は、視線角度の変化が大きいほど、バーベルの前方変位が小さく、後方変位が大きいことが示唆された。
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