講演情報
[03心-ポ-20]女子大学生の運動物体の予測特性斜め下方向と水平方向の比較
*戸枝 美咲1、山﨑 紀春2、中島 弘毅3、新井 健之4、竹市 勝5 (1. 日本女子大学、2. 上智大学、3. 松本大学、4. 高千穂大学、5. 国士舘大学)
【はじめに】 学校体育およびスポーツの現場において、物体の運動を予測することは、運動物体の捕捉のために重要な運動能力の1つである。これまでに、男子大学生を対象とした物体の運動予測は、水平右方向よりも斜め右下方向の方が、より運動速度を遅く予測する可能性があることが示唆されている(中島2022)。今回は、女子大学生を対象に同様の実験を行い、方向の違いによる女子の運動予測の特性について検討する。 【方法】 被験者は女子大学生12名とし、自作のバーチャルリアリティー環境で実験を行った。運動物体(ボール)が画面左端から右方向へ等速10deg/sで水平移動し、画面中央から右側に設置した長方形の板(目盛付き)の後ろに隠れるように移動する画像を提示した。ボールが板の後ろに隠れ、一定時間経過後、板の色を変色させた(トリガー刺激)。被験者はトリガー刺激提示時刻のボールの位置を目盛で回答した(回答位置)。トリガー刺激までの時間は5段階でランダムに提示し、20施行実施した。次に、モニターを時計回りに45度回転することにより、右下方向へ運動物体が移動する課題を実施した。横軸に遮蔽時間(板の後ろに隠れてからトリガー刺激までの時間)、縦軸に板左端からボールの移動距離を取り、回答位置のプロットから回帰直線を求めて、傾き(距離/時間)を被験者が予測した遮蔽中の運動物体速度(予測速度)とした。縦軸との切片を視覚刺激提示による進行方法への位置錯覚量とした。 【結果・考察】 予測速度は、水平右方向5.19±1.25deg/s、斜め右下方向4.34±1.31deg/sという結果となった。t検定をした結果、予測速度に有意な差は認められなかったが、男子大学生を対象とした、中島ら(2022)の先行研究と同様の傾向を示し、水平右方向よりも斜め右下方向の方が、より運動速度を遅く(移動距離を短く)予測する可能性があることが示唆された。
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