講演情報

[03心-ポ-30]Jリーグクラブのユース選手がプロサッカー選手になるために必要な心理的能力および心理的特性プロサッカー選手を輩出した指導者による視点

*北橋 達朗1、寺岡 英晋1、高井 秀明1 (1. 日本体育大学)
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サッカー選手の成長やプロキャリア移行に至るまでの過程では、心理的能力や心理的特性が重要な役割を果たすといわれている(Morris, 2000)。そのため、欧州諸国では育成年代のサッカー選手の心理的要因に関する研究が多く行われているが(e.g., Harwood, 2008)、日本ではあまりみられない。そこで、本研究の目的は、経験豊富なサッカー指導者の視点から、ユース年代のサッカー選手がプロサッカー選手になるために必要な心理的能力および心理的特性を明らかにすることであった。調査対象者は、Jリーグクラブに現在所属している、または過去に所属していたサッカー関係者10名であった。なお、調査対象者は(1)日本サッカー協会公認のBライセンス以上、またはUnion of European Football Associations公認のBライセンス以上の資格保持者、(2)指導経験10年以上、(3)これまでにU15-18カテゴリーの指導経験があり、その期間にプロサッカー選手を輩出した実績があった。本研究の方法には、オープンエンド型の半構造化インタビューを採用し、調査対象者の希望に応じて1名以外はオンライン形式で実施した。インタビューによって収集された言語データは、Reflexive Thematic Analysis(Braun & Clarke, 2022)を採用して帰納的、演繹的に分析した。その結果、心理的能力および心理的特性に関する16のサブテーマと4つの潜在的なテーマが識別された。なお、4つの潜在的なテーマは、Awareness、Goal-directed attributes、Resilience、Emotional Intelligenceで構成された。今後は、これらの体系化された心理的要素を競技環境で育むための取り組みについて検討する必要がある。

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