講演情報

[03心-ポ-46]大学生の男女共習体育授業に対する意識と男女平等意識および運動有能感との関連

*金沢 翔一1、豐田 隼2 (1. 山梨大学、2. 東京大学・日本学術振興会)
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本研究では、大学生の男女共習体育授業に対する意識構造を明らかにし、男女平等意識および運動有能感との関連を明らかにすることを目的とした。研究1では、大学生の男女共習体育授業に対する意識構造を捉える測定尺度を開発することを目的とした。予備調査は、大学生222名を対象に「男女共習の体育授業に感じることについて入力してください」と提示し、自由記述で回答を求めた。回答を文意ごとにカテゴリー化し25項目の原案を作成した。本調査は、大学生230名を対象に原案について5件法で回答を求めた。分析は、まず天井・床効果がみられた項目を削除し、その後探索的因子分析を行った。その結果、2因子17項目が抽出され、各項目の特徴から第1因子を「肯定的意識」、第2因子を「否定的意識」と命名した。なお各因子のα係数は0.7以上であった。次に大学生252名を対象に確認的因子分析を行った。その結果、適合度指標は、概ね許容できる値であった(χ2 (119) = 342.00, p<0.01, CFI=0.93, TLI =0.92, RMSEA=0.09 (90% CI [ 0.08,0.10]), SRMR=0.10)。研究2では、大学生の男女共習体育授業に対する意識構造と男女平等意識および運動有能感の関連性を明らかにすることを目的とした。大学生252名を対象に大学生の男女共習体育授業に対する意識と平等主義的性役割態度スケール短縮版および運動有能感測定尺度との積率相関係数を求めた。その結果、平等主義的性役割態度スケール短縮版では、肯定的意識(r=-0.19, p<0.01)との間に負の相関がみられ,運動有能感測定尺度では、肯定的意識と身体的有能差の認知(r= 0.34, p<0.01)、統制感(r= 0.34, p<0.01)、受容感(r= 0.48, p<0.01)、運動有能感(r= 0.46, p<0.01)との間に正の相関がみられた。

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