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[03心-ポ-54]ジュニアユースサッカーチームにおけるチームビルディングの事例的検討

*松井 花織1、伊藤 英之2 (1. 日本体育大学、2. 國學院大學)
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チームスポーツにおいてチームワークはパフォーマンスを向上させるために重要である。チームワークの心理的側面には集団効力感と集団凝集性があり(Carron, 1982)、この2つの概念はチームパフォーマンスと正の相関関係が報告されている。(永尾ほか,2010)したがって、実践現場での運用を考慮した集団効力感と集団凝集性を高めるプログラムの作成はパフォーマンスの向上への寄与が期待される。そこで本研究では、チームで取るべき行動の目標設定や目標達成に向けたグループワークによるチームビルディングプログラム(TBP)が集団効力感および集団凝集性に及ぼす影響を検討することとした。対象者は、サッカーのジュニアユースチームに所属する男性選手 19名(平均年齢12.8土0.7歳)であった。そのうち、13歳以下(U-13)は10名(平均年齢12.2土0.4歳)、14歳以下(U-14)は9名(平均年齢13.3土0.5歳)であった。TBPはチームの行動目標の達成に関するグループワーク形式で構成され、202X年4月~7月にU-13とU-14のそれぞれに月1回の計3回ずつ実施された。プログラムの効果の評価は、集団効力感尺度(Short et al., 2005)と集団凝集性尺度(織田,2007)を用いて行い、対象者にはTBP 前後(4月と8月)に回答を求めた。その結果、U-13においては、集団効力感の下位因子である努力と準備力(p<.05)、忍耐力(p<.01)が有意に高まり、集団凝集性の下位因子である社会的側面に関する集団の一体感(p<.05)がTBP前後にかけて有意に高まった。また、U-14においては、集団効力感の下位因子である準備力(p<.05)がTBP前後にかけて有意に高まった。以上のことから、本研究におけるTBPは、集団効力感および集団凝集性を高める可能性が示された。

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