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[03心-ポ-72]グループでのダーツ実施による心理的・対人的効果個人戦・チーム戦形式における気分と親密度の変化

*吉武 誠司1、酒井 佑2、坂入 洋右3 (1. 目白大学短期大学部、2. 筑波大学人間総合科学学術院、3. 常葉大学教育学部)
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ダーツは年齢や性別を問わず誰でも気軽に楽しめるスポーツであり、共通の的を使用し、互いに声を掛け合いながら進行するという特性をもつ。そのため、ダーツ実施によりポジティブな気分になり、かつ一緒に行う人との親密度を高められる可能性がある。そこで本研究では、グループでの個人戦およびチーム戦形式におけるダーツ実施が心理的および対人的側面に与える影響の検討を目的とした。
対象は大学生90名(男性62名、女性28名、平均年齢18.28±0.50歳)で、個人戦形式に38名、チーム戦形式に52名が参加した。いずれの形式も会話をしたことがない相手とペアを組み、座位での話し合い後にダーツを実施した。実施前後の気分(快適度・覚醒度)の変化を、二次元気分尺度(Sakairi et al., 2013)から評価し、さらにペアの親密度は心理的・身体的距離の変化量から評価した。心理的距離はIOS尺度(Aron et al., 1992)、身体的距離は対面での座位話し合い時の椅子間距離を指標とした。
その結果、個人戦・チーム戦のいずれにおいても、ダーツ実施後に快適度(p<.05)および覚醒度(p<.001)の有意な向上が認められ、快適な興奮が生じることが示された。また、ペアの心理的距離は有意に縮まり(p<.001)、身体的距離も有意に縮小していた(p<.01)。特にチーム戦形式においては、自然な会話や役割分担といった協働的なやり取りが促され、身体的距離による親密度のさらなる向上が示唆された(p<.05)。加えて、ダーツのパフォーマンス向上も確認され、チーム内での協力関係が親密度のみならずパフォーマンス発揮にも良好な影響を及ぼす可能性が示された(p<.05)。
以上の結果からダーツ実施が快適度を高めることと、一緒に行う人との親密度を高めることに有効であり、特にチーム形式での実施によりその効果がより一層高まる可能性が示唆された。

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