講演情報

[07発-ポ-09]幼児の簡便な運動能力評価ツールSMC-Kidsの結果票作成システムの開発

*香村 恵介1、出村 友寛2、髙橋 功祐3、小椋 優作4、松浦 稜5、喜屋武 享5,6、縄田 亮太7 (1. 名城大学、2. 仁愛大学、3. 石巻専修大学、4. 中部学院大学短期大学部、5. 琉球大学、6. 京都大学、7. 愛知教育大学)
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幼児期の運動能力は、健康のみならず、認知機能や学習の基盤にも影響を与える重要な指標である。しかし、保育現場における運動能力測定の実施率は依然として低い。そこで我々は、特別な用具や広いスペースを必要とせず、短時間で実施可能な簡便な測定法「Simple Motor Competence-check for Kids(SMC-Kids)」を開発した。SMC-Kidsは、10m折り返し走と紙ボール投げの2項目から構成されており、3~6歳の幼児1650名(7県32園)のデータを基に、年齢別・性別のパーセンタイル基準値が作成されている。本研究では、SMC-Kidsを保育現場で効果的に活用するため、測定データの管理・評価・共有を支援するExcelマクロによる結果票作成ツールを開発した。仕様の検討には、測定経験のある幼稚園教諭2名および子どもの身体活動・運動に関する研究者7名との意見交換を踏まえた。ツールは、個人・クラス・学年・園全体の各単位で結果票を自動生成できる。個人結果票では、複数時点の測定結果から運動発達の推移を視覚化できるとともに、結果票を見て保護者の関心が高まった際に、すぐに実践できる親子遊びを結果票の下部に併記した。保護者への更なる情報提供に使用するQRコードや結果票の見方を記載するスペースも設け、このスペースは使用者の実情に応じて差し替えることもできる柔軟な運用を可能とした。クラス・学年別結果票では、運動発達が緩やかな子(スコア1・2)を一覧で表示し、担任が支援対象を把握しやすい構成とした。園全体の結果票では、学年別平均スコアに加え、スコア1・2の割合の経年変化も提示することで、平均の変化に加え、発達の底上げ状況も可視化した。本ツールは、保育現場や家庭、地域において、幼児の運動発達を手軽に「見える化」する支援ツールとしての活用が期待される。

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