講演情報

[07発-ポ-17]幼児の日常活動における運動遊びと身体活動動作保育者調査から

*佐々木 玲子1、石沢 順子2 (1. 慶應義塾大学、2. 白百合女子大学)
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幼少期は、神経系の発達が著しい時であり、体を動かすことにより様々な運動刺激を継続的に受けて動きを獲得していき、さらに上達していく時期である。幼児にとって、幼稚園、保育所などの保育施設は、身体活動の量、質ともに確保される大切な場となっている。特に保育活動中の運動遊びの中には、走る、跳ぶ、投げるなどを始めとして多くの動作が含まれており、それらを通じた活動は、子どもたちにとって多様な動き、運動パターンを経験し身につける重要な機会となっている。本研究では、実際の保育現場において、子どもたちが日常どのような活動(運動遊び)を行い、それらを通じてどのような動きを経験しうるのかについて、保育士へのアンケートを用いてその現状を調査した。
東京都内の幼稚園14園の、保育現場で直接子どもたちとかかわりを持つ保育者(クラス担任など)を対象として、アンケート調査を実施した。各園の日常の園活動において、幼児が実際に行っている頻度の高い運動遊びおよびその遊びに含まれる基本的動作について、アンケート用紙を作成し、回答を得た。併せて、園の広さ、所有する設備、遊具、等の環境要素についても尋ねた。これらの回答から、運動遊びの実施状況、実施している遊びの数や種類、および含まれる動作の種類について明らかにすることを試みた。
調査の結果から、鬼ごっこ系の遊びは、すべての幼稚園で、どの学年においても頻度高く実施されていた。しかし、動作に着目すると、そこに含まれる動作は、年少児は「歩く」「走る」が主体であったのに対し、年長児では「かわす」「つかまえる」動きが増えるなど、動作の種類が多様になる傾向がみられた。また、遊具を使った遊びは、どの学年も同程度に実施され、またそれに伴って同様に一定の動作が引き出されることが推測された。全般的に、年齢に伴って、遊びの種類および動きの質が異なり変容していくことが推察された。

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