講演情報

[07発-ポ-20]セーリング競技における帆走に関する宣言的知識の艇種による違いについて

*坂口 英章1、青柳 領 (1. 日本経済大学)
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【緒言】セーリング競技においても状況判断能力の基礎として宣言的な知識の有無が重要である。特に、二人で共同して操船する場合と一人で操船する場合では必要とされる知識には違いがあることが考えられる。そこで、本研究ではセーリング競技において中心的知識となる帆走について問う知識の艇種による違いについて検討する。【方法】2019年F県大会と茨城夢国体セーリング競技そして、2019年全国高校総体ヨット競技に参加し、本研究の趣旨に賛同した174名を対象に40項目からなる艤装に関するテストを行った。互いの知識間の影響を一定にして関連を検討するために、正答は1、誤答は0と変換したデータに数量化理論Ⅱ類を適用し、重相関比、偏相関係数、カテゴリーウエイトのレンジを求め、両者の違いを検討した。【結果】求められた重相関比ηは0.499と高い関連を示し、正判別率は70.59%と高く、帆走に関する宣言的知識の艇種による違いがみられた。偏相関係数(PC)およびカテゴリーウエイトのレンジ(RG)が大となったテスト項目は、「サイドジャイブ手順(RG=0.9403、 PC=0.2249)」など8項目であった.その中では,求められた判別得点の平均値が「一人乗り」が負で,「二人乗り」が正であったことから、「アビーム角度」「セールシェイプリンクル」では「一人乗り」の方が優れ、それ以外の「サイドジャイブ手順」「マストベンドリンクル」「風上側のテルテールの反応」「風下側のテルテールの反応」「ジャイビング」「上マーク回航トリム」では「二人乗り」の方が優れていた。この点については、①対象者の競技レベル、②「二人乗り」の場合、役割が分かれているのでそれに該当しない者の知識がないこと、③艇の構造の違いによりそのような点を特に考慮する必要がないことなどが知識の差の原因と考えられた。

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