講演情報
[11教-ポ-21]バスケットボール選好度の違いによる状況判断能力向上を目的としたVR教材の主観的有用性の検討
*大山 泰史1,2 (1. 岡山県立大学大学院、2. 佐世保工業高等専門学校)
体育の授業でバスケットボールに苦手意識を持つ学生は,ゲーム中の状況を適切に判断できない場合が多い.そのため,ゲーム中の「状況判断能力」を向上させる教材や指導法が求められている.本研究は,著者らが開発したバスケットボールの状況判断能力向上を目的としたVR教材の主観的有用性を,バスケットボール選好度の違いから検討した.15~17歳の工業高等専門学校生70名に本教材を試用させ,プレーの理解促進や状況判断能力向上などに有用かを問う8項目からなるアンケート調査に,「思う」・「思わない」・「判断不能」で回答を得た.対象者をバスケットボールが「好き」群と「嫌い」群に分け比較した結果,「プレーの理解を深められると思うか」に,「好き」群で83.3%,「嫌い」群で75.0%が「思う」と回答した.「状況判断能力を高められると思うか」に,「好き」群で81.5%,「嫌い」群で87.5%が「思う」と回答した.「個人プレーの向上に意味があったと思うか」に,「好き」群で72.2%,「嫌い」群で68.8%が「思う」と回答した.「技能レベルが低い選手のプレーの向上に意味があると思うか」に,「好き」群で85.2%,「嫌い」群で75.0%が「思う」と回答した.いずれの項目も選好度による回答率に有意な差は認められず,選好度に関わらず肯定的な回答が多かった.これらの結果は,多くの学生が本教材をプレーの理解促進や状況判断能力向上などに有用と認識したことを示している.特に,バスケットボールが苦手な者でも高い有用性が認められたことから,本教材は積極的に利用される可能性を秘め,状況判断能力を養うための有効な教材となり得る可能性がある.今後は,本教材と従来の紙や動画による教材とを比較することで,状況判断能力向上を目的としたVR教材の優位性や効果を検証することが課題である.
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