講演情報
[10305-10-05]右片麻痺を呈した方に右手で食事動作獲得を目標に介入した経験
*湯田 千晴1、吉田 真帆1、嘉部 匡朗1、相澤 加奈子1、相合 菜月1 (1. 昭和大学横浜市北部病院)
キーワード:
食事、脳梗塞、運動麻痺
【はじめに】
右手動作を経験した.症例は作業療法(以下,OT)介入早期より箸操作の再獲得を希望したため,食事動作獲得をリハゴールとし順序立てた目標設定を行い,視覚的認識を促した上肢機能訓練を行った結果,右手での食事動作獲得を認めた.今回は,結果までの経過を振り返り,直接練習導入時期の考察とともに報告する.
【症例紹介】
動作獲得を認めた.今回は,結果までの経過を振り返り,直接練習導入時期の考察とともに報告する.【症例紹介】症例は80代男性,利き手は右手.右上肢脱力と呂律障害により救急搬送,左中大脳動脈脳梗塞の診断を受け,同日に血栓回収術を施行された.翌日より作業療法開始となった.今回発表に際し,症例とその家族より同意を得ている.
【作業療法評価】
意識は清明,認知機能は年齢相応,麻痺はBrunnstrome stage(以下,BRS)で上肢Ⅴ,手指Ⅱ,下肢Ⅵ,深部感覚鈍麻,手指の低緊張であった.基本動作は自立,ADLは監視レベルであった.食事動作では非麻痺側のみの使用であり,本人からは「左手ではなく,右手で箸を使用しながら食事をしたい」との発言があった.
【介入方針及び作業療法介入計画】
本症例は,脳梗塞により利き手である右手の機能障害を抱え,特に食事動作において悩みを感じていた.そのため,リハゴールを右手で箸を用いた食事動作獲得とし,段階的に食事場面にて右手を使用していく目標を設定し,上肢機能訓練プログラムを立案した.
【介入経過】
2~7病日目はワイピングやボール握りを中心とした訓練を実施した.8~12病日目は低緊張であった手内在筋が過緊張となったため,徒手的リラクゼーション法を実施した.13〜16病日目はスプーン把持を行うためのつまみ動作・手関節の運動に対してシェーピングを用いて促した.また,食事動作での右手使用を評価し,食事中にスプーンを手元から落とす場面や食べこぼしに気が付かないことも観察された.
【結果】
32病日目,運動麻痺はBRSで上肢Ⅵ,手指Ⅴ,下肢Ⅵ,深部感覚障害と手指の低緊張は改善した.ADLは自立レベルとなり,食事動作は右手でスプーンを使用しながら自立となった.箸操作は不十分であったため,自宅での自主練習と訪問リハビリに引き継ぐことになった.
【考察】
今回,脳梗塞の運動麻痺の評価に合わせて、段階付けた機能獲得訓練を行うことで,食事動作獲得につながったと考える.しかし,リハゴールである右手で箸を使用し食事動作獲得は困難であった.原因として,麻痺側である右手での実動作訓練を始める時期も影響しているのではないかと推察された.
右手動作を経験した.症例は作業療法(以下,OT)介入早期より箸操作の再獲得を希望したため,食事動作獲得をリハゴールとし順序立てた目標設定を行い,視覚的認識を促した上肢機能訓練を行った結果,右手での食事動作獲得を認めた.今回は,結果までの経過を振り返り,直接練習導入時期の考察とともに報告する.
【症例紹介】
動作獲得を認めた.今回は,結果までの経過を振り返り,直接練習導入時期の考察とともに報告する.【症例紹介】症例は80代男性,利き手は右手.右上肢脱力と呂律障害により救急搬送,左中大脳動脈脳梗塞の診断を受け,同日に血栓回収術を施行された.翌日より作業療法開始となった.今回発表に際し,症例とその家族より同意を得ている.
【作業療法評価】
意識は清明,認知機能は年齢相応,麻痺はBrunnstrome stage(以下,BRS)で上肢Ⅴ,手指Ⅱ,下肢Ⅵ,深部感覚鈍麻,手指の低緊張であった.基本動作は自立,ADLは監視レベルであった.食事動作では非麻痺側のみの使用であり,本人からは「左手ではなく,右手で箸を使用しながら食事をしたい」との発言があった.
【介入方針及び作業療法介入計画】
本症例は,脳梗塞により利き手である右手の機能障害を抱え,特に食事動作において悩みを感じていた.そのため,リハゴールを右手で箸を用いた食事動作獲得とし,段階的に食事場面にて右手を使用していく目標を設定し,上肢機能訓練プログラムを立案した.
【介入経過】
2~7病日目はワイピングやボール握りを中心とした訓練を実施した.8~12病日目は低緊張であった手内在筋が過緊張となったため,徒手的リラクゼーション法を実施した.13〜16病日目はスプーン把持を行うためのつまみ動作・手関節の運動に対してシェーピングを用いて促した.また,食事動作での右手使用を評価し,食事中にスプーンを手元から落とす場面や食べこぼしに気が付かないことも観察された.
【結果】
32病日目,運動麻痺はBRSで上肢Ⅵ,手指Ⅴ,下肢Ⅵ,深部感覚障害と手指の低緊張は改善した.ADLは自立レベルとなり,食事動作は右手でスプーンを使用しながら自立となった.箸操作は不十分であったため,自宅での自主練習と訪問リハビリに引き継ぐことになった.
【考察】
今回,脳梗塞の運動麻痺の評価に合わせて、段階付けた機能獲得訓練を行うことで,食事動作獲得につながったと考える.しかし,リハゴールである右手で箸を使用し食事動作獲得は困難であった.原因として,麻痺側である右手での実動作訓練を始める時期も影響しているのではないかと推察された.