Presentation Information

[3503]Chemical compositions of slag and mining sites

○Eiji Izawa1 (1. Professor Emeritus Kyushu University)
Chairperson: 小松美鈴(九州大学総合研究博物館)

Keywords:

remains of mine,slag,chemicals compositions,iron,copper and silver

鉱山遺跡の調査では、金属製錬の廃棄物であるスラグに出会うことが多い。スラグは、鉱山の生産金属を特定するのに有用なばかりではなく、製錬の技術を読み解くカギとなる。日本列島における金属生産は鉄(6世紀)ではじまり、7世紀に銀・鉛・銅、8世紀には金と多様になっていった。限られた量であるがスズ(錫)・アンチモンも古代に生産された。金属としての水銀の生産は8世紀になってのことと思われる。中世末の戦国時代から、白目と呼ばれる合金が生産・使用された。これらの金属の中で、鉄・銀・鉛・銅・スズ・白目は熔融製錬による生産が行われた。木炭の火力と還元力を用いて不純物を分離除去する金属生産であり、大量の廃棄物(スラグ)が残される。アンチモンの製錬については全くわかっていない。銀は製錬産物として直接には得られない。銀鉱・鉛鉱・銅鉱に含まれる銀を製錬の過程で鉛に捕集させ、その後に灰吹によって鉛と銀を分離する2段階の工程が必要であった。そのため、銀生産スラグの判別には特別な注意が必要である。ここではスラグの化学組成の特徴から得られる情報をまとめておく。