講演情報

[41]ごちゃまぜを理念とする多機能型福祉拠点の利用実態と課題に関する研究石川県社会福祉法人佛子園「西圓寺」を対象として

○武田 侑哉1、篠原 百合2、石川 夏帆3、藤井 さやか4 (1. 富士通株式会社、2. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、3. 筑波大学大学院システム情報工学研究群、4. 筑波大学システム情報系・教授)
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キーワード:

ごちゃまぜ、社会的包摂、障害者、福祉施設、まちづくり、石川県

近年、誰もが排除されることのない社会的包摂の社会の実現が目指されている。しかし障害者が地域の中で安心して過ごす生活の場は未だに整っていない。よって、障害者と地域住民が日常生活を共にし、両者の間の軋轢を断ち切ることが重要である。本研究では、石川県の社会福祉法人佛子園が運営するごちゃまぜ多機能福祉拠点「西圓寺」に着目し、拠点の利用・交流実態とごちゃまぜの認識・課題を明らかにすることを目的とする。利用行動調査とインタビューの分析を通じて地域住民が福祉サービス利用者と日常的な共存や交流を経験し、認識の変化が生まれ、社会的包摂が促進されていることが明らかになった。一方で、ごちゃまぜを成立させるスタッフの業務負担の増加、福祉サービス利用者へのケアの不足、不適切行為に対する地域住民の不安、また拠点の持続可能性といった課題もがあることもわかった。以上より、ごちゃまぜ多機能型福祉拠点を実現させるには地域に向けた事業と福祉事業のバランスをとる経営手法と障害の程度や特性に適した多様なケア方法の確立、またごちゃまぜを実現させる福祉人材の育成することの重要性が示唆された。