講演情報

[42]市民発意を促すまちづくりゲームを活用したエリアビジョン策定手法の有効性-神戸市深江地区まちづくり協議会での実践を事例として-

○田中 椋1、吉野 和泰8、福本 優3、石原 凌河5、野村 はな10、阿久井 康平7、松尾 薫6、白石 将生4、蕭 耕偉郎9、松本 邦彦2 (1. 国土交通省国土技術政策総合研究所、2. 金沢大学理工研究域、3. 兵庫県立人と自然の博物館、4. 昭和株式会社、5. 龍谷大学政策学部、6. 大阪公立大学大学院農学研究科、7. 大阪公立大学大学院現代システム科学研究科、8. 鳥取大学工学部、9. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、10. 株式会社ヘッズ)
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キーワード:

まちづくりゲーム、市民参加、バックキャスト、エリアビジョン、市民ワークショップ

近年,エリアの将来ビジョンを多主体協働で描き,その実現に向けて逆算的に計画検討を進めようとする取り組みが増えつつある.しかし,市民や自治体など立場の違いや事業に対する理解の程度などを乗り越え,市民の創造的な発意を促し,実現したいと思う暮らしに立脚してビジョンとして描くための手法はいまだ十分に確立されていない.このような問題意識のもと,日本都市計画学会関西支部では30 周年事業の一環として,若手の研究者,実務者,行政職員,大学院生などにより「ライフスタイルが紡ぐまちのみらい研究会」が組織され,研究成果としてまちづくりゲーム「紡ぐ・ビジョン・MATCH -まちの未来をソウゾウする-」が開発された.本研究では,同ゲームを活用して進められた神戸市深江地区における市民ワークショップのプロセスの分析を通じて,1) 市民が描くまちの将来イメージの実態と2) 将来イメージとまち歩きの組み合わせにより地区内の空間改変との結びつくアイデアが発意される可能性を明らかにした.市民発意を促し,市民が実現したいライフスタイルを基軸とした地域の将来像を描くうえで,本ワークショップ手法の有効性について考察を行った.