講演情報

[83]米国オレゴン州ポートランド市における複数の道路の広場化プロセスと実態に関する研究- COVID-19感染拡大を契機とした Public Street Plaza Programの展開を事例として-

○奥村 真妃1、野原 卓1、矢吹 剣一1、森田 彩日1、松行 美帆子1 (1. 横浜国立大学大学院)
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キーワード:

道路空間利活用、プラザ、公共空間、ポートランド、新型コロナウイルス感染症

本研究は、ポートランド市のPublic Street Plaza Program(PSPP)を対象に、パンデミックを契機として複数の道路空間が短期間でプラザ化された要因と実態空間を明らかにした。文献調査および現地調査を通じPPSPの創設経緯・制度枠組み・空間実態を分析した結果、 複数の道路のプラザ化の要因として(1) プラザの試行による適性評価の仕組み、(2) 登録後も車両通行可能な道路へ復旧可能な可逆性、(3) 設置・撤去が容易な什器の活用、(4) 地域住民や事業者による申請を起点としたボトムアップ型のプロセス、(5) PBOTと地域組織・事業者との明確な役割分担による民間が関与しやすい体制の構築が挙げられる。整備されたプラザはアクセスの良さと空間の閉じやすさを兼ね備え、地域交流やイベントの場としても機能していた。一方で、公共性と事業性のバランスや利活用の程度に課題が見られ、今後はそれらの解決に向けた方策の必要性が把握できた。