講演情報
[86]COVID-19感染拡大を契機としたアジャイル型都市空間マネジメント手法の展開に関する研究米国・ニューヨーク市の屋外ダイニングプログラムを事例として
○森田 彩日1、矢吹 剣一1、野原 卓1、奥村 真妃1 (1. 横浜国立大学大学院)
キーワード:
道路空間利活用、屋外ダイニング、米国、COVID-19、パンデミック、オープンレストラン
本研究は、COVID-19感染拡大を契機にニューヨーク市で導入された暫定的な制度「オープンレストラン」が恒久的な制度「ダイニングアウト」へアップデートされるプロセスを分析することで、緊急事態に素早く柔軟に対応し、臨機応変に更新するアジャイル型都市空間マネジメント手法の可能性を明らかにするものである。研究対象は、1929年から運用されてきた「サイドウォークカフェ」、2020年に暫定導入された「オープンレストラン」、2024年に後継の制度として発効された「ダイニングアウト」の三制度である。ニュース記事、行政資料、オンラインデータを用いて、屋外ダイニングプログラムの変遷を明らかにすると共に、市民意見の制度への反映状況を分析した。特にCOVID-19以降の制度については、NYC311や規則案に対するオンラインコメントを通じた市民の声を整理し、その内容が制度にどう影響したかを分析した。その結果、「オープンレストラン」は簡易的な制度により短期間で拡大し道路空間の新たな活用形態を生み出した一方で、多くの課題を露呈し、これらの改善方法を踏まえて「ダイニングアウト」が策定されたことが明らかになった。
