講演情報
[107]原発被災地における商業事業者の再開動向に関する研究福島県楢葉町・富岡町を対象として
○小井川 美衣1、山梨 裕太3、荒木 笙子4、苅谷 智大2、姥浦 道生2 (1. 東武鉄道株式会社、2. 東北大学災害科学国際研究所、3. 東北大学大学院工学研究科、4. 岩手大学農学部)
キーワード:
原発被災、商業復興、事業再開、東日本大震災
本研究は、東日本大震災に伴う原発事故で被災した福島県楢葉町・富岡町を対象として、商業復興の状況と、個別の商業事業者の再開プロセスおよび事業継続の実態を明らかにすることを目的としている。町内の商業については、小売業・サービス業を中心に店舗の大幅な減少が見られ、避難期間の長さとそれに伴う居住人口の減少が多くの事業者に廃業を強いた一方で、飲食業を中心に除染作業員の一定の需要が確認された。また、町内再開事業者の中では3パターンの再開プロセスが見られ、町外で事業を再開し、頃合いを見て町内で再開するというプロセスの存在が明らかになった。町内で再開した事業者の多くは何らかの事業変更をしているが、復興需要が変化する中で営業が難しい状況に陥っている事業者も存在している。需要の変化に柔軟に対応することが事業再開や今後の事業継続にとって重要であることが示唆された。
