講演情報
[119]水害常習地におけるバイアウト・取得と高床化プログラムの活用実態とリスク低減効果-米国ニューヨーク市スタテン島を対象に-
○井内 加奈子1、大津山 堅介2、井上 亮1、許 芮溧1 (1. 東北大学、2. 東京大学)
キーワード:
バイアウト・取得プログラム、高床化プログラム、水害対策、洪水保険制度、ニューヨーク市
本研究は、気候変動適応プログラムにおけるバイアウト・取得と住宅の高床化プログラムに焦点をあて、地域での導入実態を理解することを目的とする。ハリケーン・サンディによる被災後、これらのプログラムが積極的に導入されてきたニューヨーク市のスタテン島を詳細分析の対象とし、NY市が公開するデータを活用して、プログラムの活用状況を国勢調査細分区単位で分析を行った。その結果、地区間でバイアウト・取得プログラムと高床化プログラムの選択に違いがあるが、ハリケーン・サンディ発生時の浸水深とプログラムの選択の間には相関関係が認められなかった。これらの結果は、プログラムが地域全体の洪水リスク軽減に寄与している一方で、その効果が地区ごとに異なり、一貫性を欠いている。このような状態は、土地の管理に影響を与えている可能性も示唆される。
